かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

古傷

2007-12-19 | 事例
古傷を突かれる。
其処が又痛んでくれば、今までに倍してショックが大きくなります。

Kがそうでした。
もう片が付いたと思っていたサービサーから3年ぶりに
督促状が来たのです。放っておいたら電話が有りました。
「今名何をして居ますか。当社は貴方の希望通りに待ちました。
ご返済は未だ難しいでしょうか。毎月僅かでも払って頂きませんか。」

Kさんは5年前に倒産しました。
形だけの任意整理をし、借地に立てた担保の自宅は、
そのままにして、逃げるように、奥さんの実家近く越して来たのです。
へそくりか、実家の援助か解かりませんが、当時は奥さんが家計を
やりくりしたのでした。

2年くらい後にKさんはサービサーと云うところから請求を
受けました。自宅を競売後の銀行の残債務です。
しかしサービサーはKに請求したものの、未だ職が無く落ち込んで
居るKには強い請求も出来なかったみたいです。
特に五月蝿いことは言いません。早く立ち直ってくださいと親切でした。
それから何も言って来ません。

Kはもう借金は勘弁してもらったんだと勝手に解釈しました。
彼が警備員の仕事を探してきたのはそれから間もなくです。

今度の担当者はなかなか強気です。
特に今のKの勤務先を知りたがっています。
Kに対して差押と脅します。
「貴方が破産をすれば当方は何も出来ないが、そうでない限り、
何時までも、何でも出来ますよ。」
Kとすれば倒産しらばかりのあの頃と、漸く立ち直りつつある今とは
全然違います。あの頃だったら何を言われても平気だったですが、
今は弱いです。完全に守りの姿勢になったからでしょう。

破産するお金も無かったが、あの頃でしたら、お金さえあれば破産も
平気でした。何を差押えられても結構でした。しかし今は違います。
差し押さえや破産があれば警備員の今の仕事は即お払い箱です。

古傷は直らないうちに其処を攻められると痛みは倍増します。
Kは実際には家財の差押など出来ませんが、倒産後漸く手にした
テレビや冷蔵庫など直ぐに持っていかれると思っています。
Kは重症のノイローゼに陥ったのです。

充分に時間が経ってから、再度請求に走る。効果はありそうです。
充分ある時間の間に債務者は普通の生活を取り戻します。
苦労して取り戻したものは債務者にとっては何より価値があります。
その価値あるものが、直ぐに差押されるような気になります。
漸く得た勤め先も、調べられて直ぐに解かり、給料を全部持って
いかれると怯えます。回収する方には待った甲斐があったと
ニタリとさせます。

Kの知人で次のような人も居ます。
銀行が承知で子供が買い戻した知人の自宅。知人は其処に
住んでいます。そんにサービサーはけちをつけたのです。
子供が買ったお金は債務者が出した、と詐害行為取り消しの訴訟を
起こしたのです。
「お宅に譲渡した銀行は承知をして担保解除したのですよ。」と云うと
「銀行さんと私どもは考え方が違います。」と憎たらしい返事。
何でそんなサービサーに債権を譲渡したのかと銀行も恨みたくなります。
直った古傷を無理やり又開かれたのです。
このために払った500万は何より痛みを感じさせました。

Kの場合、一時的に大阪に住民票を写しそこで破産をしました。
インターネットで探した弁護士ですが費用も安く、3ヶ月ほどの期間で
Kは裁判所の出廷することなく終わりました。
会社にばれることは考えられません。

Kのノイローゼは免責通知で直ぐに直ったのです。

攻められている時、何をされてもよい。折角終わったと
思っているところを攻められるのは、非常に嫌なものです。

それに古傷、直りは遅いものです。
其れをぶり返さないように見守るのが社会の任務でしょう。
其れを突きまわすという態度は許されるものではないと思います。





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