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仙岩峠は越えようと来てはみたけど、先の遠さにくじけ始めたのは秋田県旧南外村あたり。
国道105号の交差点に立つ案内板を見やり、一度は通り過ぎたものの心変わりの急旋回。
岩倉温泉かあ・・・、ここは意を決して久しぶりに行ってみるかあ。
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意を決する訳はこの佇まいにある・・・鄙に稀な美女とでもいうのかなあ。
ボクごとき貧相な男が5百円でお湯だけ利用するなんて、とても恐れ多くてさあ。
これまで二回ほど訪れていますが、その後15年以上も経つのはそういう訳なんだよ。
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格式の高さ漂う玄関、いきなりの「日本秘湯を守る会」の提灯にビビる。
承知の上で、立ち寄り湯でもいいですかあ?と、小声で伺った。
上品な奥様は玄関に停められたバイクの方が気になったのか、すぐに駐車場を教えてくれた。
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華美な装飾は一切ないとてもシックな館内に凛とした空気が漂います。
一朝一夕では醸し出せない雰囲気・・・三代目よ、お前も少しは見習えよ!
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小さな中庭があり、奥の大きな岩のその岩肌を洗うように沢水が注がれています。
ボクの記憶は薄れていますが、館内がこんなに明るかった記憶はないなあ。
改装されましたかと旦那さんらしき人に尋ねたら、「いや、改装はしていませんよ」
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これこれ、浴室の雰囲気はボクの記憶と完全に一致。
無色無臭でボクの分類では温めかな。鶯宿かどやの湯を人肌にした感じだよ、ヤス君。
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石灯籠の笠石を削って建てたかのような、男湯女湯を仕切る壁の柱。
ボクの推測ですが、かつてはここは混浴だったんじゃないでしょうか。
脱衣所は別々でもその先の浴室は一緒という山間の温泉を数回経験しています。
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竜神様ですかね・・・お顔に温泉の成分が白く結晶化してます。
飲泉用のコップが以前は置いてあったと記憶していますが・・・お上がうるさいんですかね。
味を確かめようと直接素手で受けようとしましたが、とても熱くて無理でした。
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浴槽のお湯は温いので30分ほど入っていられましたが、上がった後の汗が引かない。
同じ時間、レトロな扇風機が送るレトロな風にあたり、汗が引くまで涼んでいました。
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山間の鄙びた温泉宿が買い取られ、お金持ち御用達の高級宿になる実例を知っています。
岩倉温泉には、そういったことへのボクの心配は無用でしょう、そうあってほしい。
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もう仙岩峠を越えることは諦めました。クマが出そうな峠道を南下します。
この先、国道105号か107号に繋がるはずですから、あとは西へ南へ帰ります。
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ツーリング中よく経験することですが、後方の景色に思いがけない感動を覚える時があります。
ずーーっと眺めながら走ってきた景色は、ただ後方に流れるだけじゃないんですよ。
前方の景色に感動して走っている時、その後方にもっと素敵な景色が広がっていますから。
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峠のてっぺん辺りでバイクを停めて、爽やかな初夏の風を感じながら小休止。
先日も、停車中のバイクの列にさらにバイクが突っ込むという事故があったなあ。
ちょこちょこ休んでこそ維持できる心の余裕と緊張感。この頃、特にそう思います。
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ふと、縁にあふれた山村の長閑な景色の中に存在する違和感に気づきました。
今の時季だったら、水を張った田んぼがキラキラ輝いているはずなのにね。
とても深刻な問題だと思います。
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峠道から国道105号、国道7号と継いで日本海へ、山形県遊佐町の海岸です。
里山の緑が大好きと自認していますが、大海原の青にも心惹かれますね。
意外に風が強くて、沖の方にも小さな白波がたっています。
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ほとんど通ることがなくなった旧道からの遊佐町吹浦漁港と鳥海山の眺め、いいですね。
午後一時半を過ぎていますが、途中ちどり食堂の中華そばで遅い昼食をとって帰ります。
走行距離270キロかあ・・・、仙岩峠その先の盛岡が年々遠くなるのを感じます。
体力なのか、気力なのか、両方なのか、減退しているとは思いたくないけどね。