月山がいつも新鮮に映るのは、迫力ある山体崩壊の跡が残る山容のおかげだと思う。
臥牛山という別名があることは、小説「月山」を読んで初めて知った。
切り立った鋭い稜線は、臥した牛の背骨に見える。
一ヶ月以上空けたせいで、足の運びはとても走っているとは言えない惨状。
天候不順を理由に、ストレッチやスクワットで簡単に済ませようという了見がいけねえ。
走ってこそ動き出す筋肉があるんだよ・・って、今さら何言ってんだか。
後方からひたひたと近づいてくる足音を感じ・・・、すーっと追い抜かれた。
白髪混じりだ・・、同じぐらいの年代かなあ。この前はオバサンにも越されたっけ。
なんとも思わなくなった。ボクはボクですから。
橋の上から川面を覗くボクの気配を察し、すぐにカモたちがざわつきはじめた。
悪いことしちゃったなあと思いつつ、いい加減、ボクをわかってくれよーとも思いつつ。
この時季、知らぬ間に少しづつ数が増えていく内川のカモ。
いつ生まれたのか、いっぱしの綺麗な緑色した小さな頭の赤ん坊もいる。
のどかだなあ。
いつもの小さな中州に、あのサギに混じって三羽の鵜、川面にもう一羽を見た。
ウミウかカワウかは分からないけど、昨日も一昨日も朝も夕方もここにいた。
あとから来たんだから、カモをいじめたら、ただじゃあおかんからな。