早朝5時に出発して30分ほど経ち、ようやく空が白んできた。
気温8度の暗闇の中、よくバイクに跨る気になったねと自分でも感心するよ。
バイクで盛岡まで走るのは、去年の10月以来(→過去記事)、ちょうど一年ぶり。
県境を越えて間もなく、秋田県象潟道の駅「ねむの丘」
早朝6時にもかかわらず駐車場は車でいっぱい・・・、車中泊の観光客がほとんど。
年配の夫婦連れが多いかな、もう車内で自炊しながら朝食を摂っている人たちもいる。
なんの虫だろう?由利本荘辺りを走っていると、口元にぶつぶつ細かなものが当たる。
日本海東北道をから国道105号に下りた時、その正体を見た。
秋田の海沿いを走って濃霧に遭遇するのは初めてだぜ・・・もうガックリだよ。
ようやく霧が晴れた・・・と言うより、この画像のとおり「濃霧を抜けた」が正解。
旧大内町から旧南外村に入るあたり、ミスティ・ロードを走ること50分。
下手すると大曲も霧の中かと覚悟していたので、ホッとしたよ。
国道105号から国道46号に繋ぎ、道を左に折れれば田沢湖畔。
ボクの行く先はこの道の先、秋田岩手の県境に連なる仙岩峠の山々。
初めて超えた学生の頃から、仙岩峠という響きに何故か気持ちが高揚するんですよ。
県境をまたぐ仙岩トンネルを含め峠の9つのトンネルは、全て秋田県側にあります。
最初のトンネルのすぐ手前に建つ「峠の茶屋」が見えますね。
「ここは・・・が美味しくて有名」とヤスが言っていたけど、何だっけ?寄ったことないし。
仙岩峠に入ると、いつも最初に目を奪われる深い沢。
学生の頃、田沢湖駅から盛岡までヒッチハイクをした旧道も見える。
ヒッチハイクと言っても、この辺りで強引に車に拾われ、あっという間の盛岡だったなあ。
色づいているかなと期待していたけど、紅葉にはまだ早かったね。
バイクとはいえ、路肩にギリ寄せて景色を愛でるなんて、とても危険で大迷惑な行為。
すぐ横をビュンビュン車が追い越していく・・・猛省しています。
9つ目最後のトンネルとなる仙岩トンネルの秋田県側坑口です。
全長2544mの中ほどに岩手県との県境があります。
完成した当初は、トンネルとは思えない明るさで、ボクを異次元に誘うような感じがしたな。
いつ頃からだろうか、いきなり目に飛び込んでくる存在感。
傍に立つ看板には、国直轄のシガクラ沢砂防堰堤工事とあります。
防災機能が第一とは言え、今は砂防堰堤にも自然景観との調和が求められるらしいです。
自然景観に馴染むには、意匠の善し悪し以上に長い年月が必要ですね。
安心感のある立派な堰堤だけど、人工物を簡単に超えてくるのが自然の営みなんだよね。
出発して5時間、希望通り、岩手山との再会を果たしました。
やっぱり頂上辺りには雲が掛かっちゃっていますねえ、ちょっぴり残念。
仙岩トンネルを抜けて見上げた空模様で、そんな予感はしていました。
お山のもっと近く、網張方面へ舵を切ろうとも考えたけど、街の空気が恋しくなってきたぜ。