釣山公園から磐井川を渡り国道4号を北上、間もなくして国道342号を西進する。
昨年の10月もコン先輩んちを辞した後、このルートで帰路についたんだよね。
さすがに紅葉には早い・・・どころか、新緑の季節のような爽やかな木漏れ日の路。
思わずバイクを降り、淡い緑の木々を見上げる。
ホントに気持ちがいいよ。
山道に入り、右手にずーーっとこの大きな山塊を見つつ、上ってきた。
これまで何度もこの道を走りながら、この山の名前を探ろうとしなかった。
なのに、今日に限って、あの時見た祭畤山が頭をかすめた。多分、そうだよ。
路肩に2008年6月に起きた岩手・宮城内陸地震の被災個所を示す標柱を見つけた。
標柱の先、磐井川の対岸にある地肌むき出しの斜面が目に入った。
斜面の中ほどに張り付くように盛り上がった個所は、崩落した大量の土砂だったのかあ。
何度も目にしたこの山肌を、あの地震に結び付けて見たことはなかったなあ。
一関市街から一時間ほどで、秋田県との県境にある須川温泉に着いた。
昨年は通り過ぎただけだったけど、今回は十二分に堪能することに決めていた。
須川温泉は五年ぶりだもんねえ、わくわくするよ。
これこれ! これですよ!
「今日は晴れているので、少し熱いかもしれません」
受付のおじさんが忠告してくれたけど、いやいや最高の適温!っていうやつですよ。
冷え気味の下肢に、ジンジン沁みるように温泉の熱さが伝わってきた。
いつまでも浸かっていられると思っていたけど、一度温まってしまうともうダメ。
その後は、上がっては浸かり、上がっては浸かりを何度も繰り返す。
ボクの他に数人の入浴客がいたけど、ほとんどの時間、ボクの貸し切り状態。
背中越しに、隣の女性用の風呂から声が漏れ聞こえてきた・・・「嗚呼!しあわせだあ~!」
ボクもですよ~~って返したいぐらい、ボクもしあわせな気分でいっぱいですよ。
ヤス君、如何ですかあ!
ヤスには、ドはまりの「お湯っ子」だろ。そろそろ一緒に入ろうよ。
ヤスの温泉心を揺さぶるに十分だな。
露天風呂の隣に建つ宿泊施設の壁に「栗駒山登山口」の板が張り付けてあった。
受付のおじさんに山頂までの時間を尋ねたら、「二時間から二時間半ですかねえ」
ボクの少ない経験値から、地元の月山の登山イメージが浮かんだ。山容も似ているしね。
おっ、ここにも「キクちゃん」がいたなあ。
奥沢きく子・・・地元出身? ググってみたら奥州市出身の方のようです。
そういえば、さっきから音頭調の歌が微妙な音の大きさで流れています。
もうひとつ気になったものが、これ。
粒状のドライフーズに煮干しが数尾、水も飲めるようにしてある。
栗駒山に住みついている地域猫でもいるんだろうか。
さあ、そろそろ帰ろうかと思ったところ、隣にKawasaki が止まった。
ボクより若そうだけど、そこそこの御年の男性・・・えっ? 福岡ナンバーだ。
同業者に話しかけることはないんだけど、さすがに、福岡ですかあ!と声をかけた。
「ええ、仙台までフェリーですけどね。今、川原下地獄から上ってきた」んだって。
聞かなかったけど、彼の本命は一昨日開催の「大曲の花火」だね、きっと。
栗駒山の山頂に少し雲が掛かってきましたね。
大きく崩れることはななさそうですが、山の天気は変わりやすいので急ぎましょう。
秋田県側に建つ「栗駒山荘」の屋根越しに、鳥海山がきれいに見えました。
多分、こんな感じで見えているんでしょうね。
栗駒道路から望む秋田県側の山々の景観がいいですねえ。
ところどころに見え隠れするワインデング・ロードとの調和もいいねえ!
県境を挟んで岩手側と秋田側との対照的な山の景色がこのルートの魅力ですね。
岩手県側の荘園の遺構があるという辺りの穏やかな山村風景もいいですしね。
平泉中尊寺ゆかりの骨寺村荘園遺跡には、いつかゆっくり訪れたいと思うのですが・・・
走り下りてきた国道398号は、バイク転がすにはとても素晴らしい山岳道路です。
ただ、調子に乗っていると、知らず知らず加速して、とんでもないことになる。
事故は絶対起こしません!!そう自分に言い聞かせ、チビの待つ我が家に帰りましたとさ。