「鯉こく」
主な伝承地域 郡山市
主な使用食材 鯉、味噌、きくらげ、豆腐
歴史・由来・関連行事
鯉の生産がさかんな福島県郡山市。生産だけでなく、鯉食文化を守るために「鯉に恋する郡山プロジェクト」を立ち上げるなど、鯉食の認知拡大、定着に力を入れている。猪苗代湖のミネラルたっぷりな水の中で育った郡山の鯉は、臭みがなく、みずみずしく、脂乗りも良いため、和食から洋食までさまざまな料理で使われている。
そんな鯉を使った代表的な郷土料理の一つに「鯉こく」がある。鯉こくは、切身の鯉と豆腐、ネギなどを煮込み、味噌で味付けした味噌汁のような存在。だしに鯉のうまみが染み込み、身も心も温まる一品となっている。
食習の機会や時季
中国の現存最古の薬物書「神農本草経」によれば、鯉はその昔、医薬品として扱われており、人びとの健康維持に役立つ食材として親しまれていた。また、現在も血流改善や糖尿病の食事療法にも効果が期待できるとされている。そんな栄養たっぷりの鯉を使った料理の中でも、鯉こくは特に、出産後に母乳がよく出るように願いを込めて、栄養食として作られることが多いという。
飲食方法
鍋に湯を沸かし、下ごしらえした鯉、きくらげ、豆腐を入れて煮込み、水で溶いた味噌で味を調える。食べる際にしょうがのおろし汁を入れると風味が豊かになる。具材としては鯉の切り身を使うが、頭を入れて作ると鯉のだしがより出ておいしい。また、仕上げに七味唐辛子や粉山椒をふりかけることも。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
家庭で一般的に作られている。また、郡山市では公式ホームページにて鯉こくのレシピを公開。郷土料理を気軽に楽しんでもらえるよう、情報提供を行っている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/30_22_fukushima.html より
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