ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「レイチェルの結婚」

2009-07-30 | 映画のお話
久しぶりの何もない木曜日、毎日降り続くじとじと雨。
まとわりつくような湿気とわきあがる臭気に もう うんざり・・・

映画にどっぷりと浸りたい気分であすで閉館する建物に走りこみ、
真ん中の真ん中、私の特等席に沈み込む。

姉のレイチェルの結婚式に麻薬依存症の施設から外泊してきたキムを演じるのは、
あの顔じゅう目でいっぱいのアン・ハサウェイ。
「プラダを着た悪魔」での愛らしい彼女が神経質にしょっちゅうたばこをふかしながらの繊細で影のある役をうまくこなしている。
アカデミー賞主演女優賞ノミネートされているわけだ。

ドキュメンタリータッチのハンドカメラの映像は編集もあまりしていないようだ。
結婚式のパーティの最中、とりどりの膚色の人々が踊りはじけている。
賑やかな音楽ががなりたてる中で、キムの家族ひとりひとりの心理描写をカメラがしんしんと追ってゆくさまが複雑な思いにさせる。
暴かれてゆく過去、姉や父や家を出て再婚した母のたてまえと本音と家族としての思いと愛。
張りつめたこころが音楽と踊りの雑踏の中でぴんと張った糸のようにつながっている。
どんなことがあっても家族は家族なのだ。
たとえ、この場所から逃げ出しても、離れていこうとも・・・

母親の存在がとても気になった作品だった。
それは私が母親だからだろう。
どうしてキムは依存症になったのか?
なぜ母親は一番先に逃げ出したのか・・・
この家族に本当は何があったのか。
10年もの間キムは依存症と闘いながら、まだ抜け出せていない。

本当にもろい家族たちがこれからどうやってそれぞれの人生の中で何かを見い出していくのだろう。
何十年後か、いつか、あんなこともあったねと穏やかに話ができる日がくることを願いたい。



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