予告がうまくできていて興味を持ってしまった。
息子が一線を越えるというところが気になってあれこれ想像していたが
私の思っていた一線とはだいぶ違っていて、がっかりしてしまった。
茶畑の静かなしっとりとした風景から一転した
マルチ組織での場面が多すぎて、少々見ていてうんざりしてしまった。
最近の中国映画はこんなにも激しく、元気すぎて、ちょっと引いてしまう。
欲に狂う姿ではなく、昔のみじめな自分から脱皮した姿だとしてもだ。
中国語の原題は「草木人間」なのに、
どうしてこんなに現実社会の描写が多かったのかと思った。
静と動、善と悪、故郷と都会というような対比だとしてもだ。
中国語の草木には人の世や世間という意味があるらしい。
西湖畔の山々の連なり、そうして反対側はビルの林立する都会だ。
自分を見出せなかった思い、人々から疎んじられ、苦労ばかりの人生
長年、澱のように沈んで隠れていた思いが頂点まで達して
沸騰してしまったのだろうか
自分らしく生きることがそうなのだろうかと思ってしまう。
マルチ商法まがいのことは大なり小なり
営業成績を上げるためにどの会社でも行われているのかもしれない。
今の中国の発展と憔悴はそういうことなのかと思いながら観終えた。
釈迦の十大弟子のひとり目連が
地獄に堕ちた母を救う仏教故事「目連救母」がテーマだという
父さんの木、僕の木、母さんの木が森にありそこに行こうとする姿が印象的だった。
苔の花、蓮の花の母子が本当の自分を見つめなおして再生してゆく
その場所できれいに咲けるように努力しなければならない人生なのだろう、きっと
アート的、エンタメ的な面が多くて、思っていたような静かな作品ではなかった。
カンヌをはじめ世界で高く評価されたデビュー作「春光水暖」をぜひ観てみたい。
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