珈琲館の“琥珀の女王”
倉敷市の美観地区一角に、焙煎珈琲専門店「珈琲館」がある。ここのこだわりのコーヒーの中でも、とりわけ当店の名物である“琥珀の女王”に魅せられて、10数年前に何度も足を運んだことがある。濃厚なコーヒーにリキュールと蜂蜜を加え、たっぷりと生クリームを落とした珈琲館のオリジナルであり、その濃厚な味が口に残り忘れられない。
思いがけず今朝は我が家で味わうことができた。実は先日の生キャラメルは、水飴の量が少なかったのか、或いは煮込みが足りなかったのか、いつまで経っても固まらない。味だけは試食した倅たちからも「花畑牧場のものと同じ!」と御墨付きをもらっていたのだが。
そこでかみさんのひらめきで、いつもはブラックで飲むモーニングコーヒーに入れてみた。すると紛れもなくあの“琥珀の女王”に大変身、濃縮された珈琲の味と生クリームの柔らかな甘味がマッチして、見事に再現できたというわけ。
「失敗は成功の母」というが、その母のアイデアが懐かしい味を想起させてくれた。まさか珈琲館の“琥珀の女王”が我が家で味わえるとは想像だにしなかった。