金輪際注文する気のないピザの宅配チラシけふも入りぬ(前原和子)
いつになく小生より先に朝刊を手にした家内が、新聞を開いた途端に声を立てて笑っている。その訳も確かめないまま、続いて新聞を広げた小生も思わず手を打って大喜びした記事がある。その内容を家内に告げると、どうやら家内と同じ理由だった。
それこそは冒頭の秀句である。今朝の山陽新聞の歌壇で第一席を射止めた岡山市・前原さんの歌である。ご本人の入選の声に『食べ慣れず、独り身の高齢者には最も多い宅配ピザ。3日と置かずポストに入るチラシに、申し訳なさを感じつつも、決して頼むことはない-との意思を「金輪際」という仏教用語で強調した。』とある。
二人暮らしの私どもは、ピザが嫌いでもないので、月に数度は朝食の食卓に上る。
しかし、宅配を求めることはなく、冷凍もので間に合わせている。にも拘らず頻繁にポスティング、しかもご丁寧に裏の勝手口のポストにまで投げ込まれている。これほど資源と労力の無駄遣いはないのにとの疎ましい思いでゴミ箱に直行していた。
全く我が意を得たりで、よくぞ代弁してくださったと感心し感謝した。そして私にも歌心があればと改めて羨ましくも思った。
同じく柳壇で第一席入選の木下草風さんは『必要なのは注意力。日常のささいな物事から何か新しいものを見つけてやろうと、いつも頭を働かせています』と話しておられる。胸に刻んでおきたい含蓄のある一言である。
いつになく小生より先に朝刊を手にした家内が、新聞を開いた途端に声を立てて笑っている。その訳も確かめないまま、続いて新聞を広げた小生も思わず手を打って大喜びした記事がある。その内容を家内に告げると、どうやら家内と同じ理由だった。
それこそは冒頭の秀句である。今朝の山陽新聞の歌壇で第一席を射止めた岡山市・前原さんの歌である。ご本人の入選の声に『食べ慣れず、独り身の高齢者には最も多い宅配ピザ。3日と置かずポストに入るチラシに、申し訳なさを感じつつも、決して頼むことはない-との意思を「金輪際」という仏教用語で強調した。』とある。
二人暮らしの私どもは、ピザが嫌いでもないので、月に数度は朝食の食卓に上る。
しかし、宅配を求めることはなく、冷凍もので間に合わせている。にも拘らず頻繁にポスティング、しかもご丁寧に裏の勝手口のポストにまで投げ込まれている。これほど資源と労力の無駄遣いはないのにとの疎ましい思いでゴミ箱に直行していた。
全く我が意を得たりで、よくぞ代弁してくださったと感心し感謝した。そして私にも歌心があればと改めて羨ましくも思った。
同じく柳壇で第一席入選の木下草風さんは『必要なのは注意力。日常のささいな物事から何か新しいものを見つけてやろうと、いつも頭を働かせています』と話しておられる。胸に刻んでおきたい含蓄のある一言である。