
大講堂をバックに比叡山団参の記念写真
4月13日~14日の日程で、菩提寺安養寺の住職・副住職を先達に檀信徒の総勢29名で、比叡山延暦寺へ団体参拝(団参)した。私にとっては前回以来4年ぶりの参拝である。
先ずは古都京都の文化財として世界遺産に登録されている宇治平等院を参拝した。藤原氏ゆかりの寺院で2度目の訪問だが、前回が何時だったか思い出せないほど昔のこと故、境内の様子もよくは憶えていない。辛うじて鳳凰堂だけが10円硬貨の表の絵柄として有名なのではっきりと記憶にある。本尊は阿弥陀如来、開基は藤原頼道、開山は明尊である。
続いて、西国三十三所霊場の十三番札所石山寺を参拝した。紫式部ゆかりの花の寺として有名である。
比叡山に到着すると先ず延暦寺阿弥陀堂に向かい、阿弥陀様の前で○○大僧正を導師に仰ぎねんごろなる回向を賜った。雲行きがおかしくなりポツリポツリとしていたが、引き続いて延暦寺職員の案内で大講堂へ移動する頃には雨も上がった。これも信心のご利益の表れ。
大講堂では「お寺は洗心するところ。手を合わせ感謝をすることが大切。いまこそ原点に返り、努力を続けて欲しい。伝教大師の教えを借りるなら一隅を照らす人が国の宝である。夫々が支えあって生きている。暗い所を照らすだけでなく、見えない所こそ光を出して輝きなさい、努力しなさい。悪事は己に迎え、好事を他人に与えよ。己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり。」との有難いお言葉を賜った。
大講堂は学校でいえば教室、正面は本尊の大日如来、本尊の両脇には日蓮・道元・栄西・円珍・法然・親鸞・良忍・真盛・一遍といった、比叡山から大成して新たに宗派を打ち立てた祖師の像が安置されている。
宿舎の延暦寺会館は根本中堂の近くにある。団体客は我が一行だけで、あと個人グループが数組だけの、ほぼ貸切状態。バスも我々一台だけのため特別に玄関先に横付け駐車が許された。各部屋に旅装を解き、窓からは琵琶湖を一望出来るのだが、生憎と今宵は小雨に煙って視界がままならない。
一夜明けて早朝6時半から根本中堂において朝のお勤めがあった。真っ先に大震災で犠牲になった方々への鎮魂の祈りを捧げた。
根本中堂は最澄(伝教大師)が788年、前身の一乗止観院を創建。焼失などを繰り返し、1571年の織田信長の比叡山焼き打ち後、徳川3代将軍家光の命で再建された。本尊は最澄が一刀三礼して刻んだ薬師瑠璃光如来。
堂内には創建以来、1200年もの間一度も絶やすことなく守られてきた「不滅の法灯」がゆらめき、思わず寒気すら覚えるような荘厳さと歴史の持つ威厳を前にして、心が洗われる思いがした。4月10日が祥月命日だった親父をはじめ、先祖代々の追善供養ができこの度の比叡山団参は意義深いものとなった。

宇治平等院の鳳凰堂

紫式部ゆかりの石山寺

延暦寺阿弥陀堂での法要