地震の周辺・とりとめない話題

2011-04-02 11:46:44 | 地震の周辺
 第2次世界大戦で敗れた日本やドイツ、そこから苦難の道を辿り復興を果たして来た。 今回の東日本震災の被害範囲や困難さを、その時と同じに見立てて、敗戦後の復興が出来たのだから、「今回も優秀な日本民族は見事復興するだろう」なんて論調も見かける。 僕自身、復興は出来るだろうし、やらなくちゃならないと思っています。しかし、復興の初期段階の今の状況をTV報道などでみていると、当時とは随分異なる様子も見て取れる。 それは今後の復興にプラスに働きもするし、マイナスに作用もする。

農産物の廃棄、作付け中止

 戦争間際の広島と長崎への原爆投下、あの時の周辺地域への放射能汚染と現在の福島原発事故による放射能汚染。 どんな差異があるのかとても興味が有り、それを知りたいと思っているのだが、適当な情報に巡り会えていない。 あの当時作付け制限なんてしなかっただろう、そして知らぬが仏で生育していた野菜など農産物は全部食べていただろう。 地域の井戸や水道の水も普通に生活用水として使用され続けていたでしょう。 今回の放射能汚染騒ぎによる集団移転などの費用、将来発生するであろう農家などへの東電や国による金銭的な補償。 それはいづれ税金の様な形で日本全体へ跳ね返る。 それよりも今現在、農家の方々の収入途絶の不安は生活して行く上で、とんでもないストレスを与えていることでしょう。

 健康のために乳幼児には摂取させたく無いと言われる水や野菜、僕の様な年寄りは「死期が早まる? 」、「健康被害が」といわれても... 「それも構いませんよ!」と言っちゃいます。

瓦礫の除去・処分

 津波被害の残骸で覆われた街では道路スペースの確保作業。 今も各地でそれは行われ、重機を使って作業が進むから比較的スピーディーに作業は進んでいる。 しかし、道路脇によけた建物の残骸等は焼却処分する処理場の能力の制限もあるので、処分に今後何年もかかるだろうと報じられている。 敗戦後にバラックでも良いからと家を再建しようとしていた人達だったら涎が垂れるような資材、屋根の瓦、柱、台所のシンク等が打ち捨てられているようにみえる。

 現在わずかに利用されていると言えば、屋外で暖をとったり、炊事に利用する燃料として廃材が少し使われている程度かな。 子供の頃、利根川の支流、烏川の近くに住んでいたのだが、堤防近くに家のあったお爺さんが毎日河原を歩きまわって流れ着く木の枝などを拾い集め、貴重な燃料として軒先に積み上げてあった風景を想い出す。


私有財産権

 垂れ下がった電線を何十mか掻払おうとして捕まった人がいたなんてエピソードや被災者の遺体を探して目印を立ててある、それを目印にして効率的に遺体に近づき、懐を探る悪者の話が立ち読みした週刊誌の記事にあった。 道路を塞ぐボートも所有者に無断で勝手に運んで捨てることは出来ない、だから店頭に居座って商売の邪魔になるボートも撤去出来ないなんて話も聞く。 もちろん、そんな他人の持ち物を勝手に持ち去ろうとしたら法律に違反している事だろうから、警察が捕まえるなら捕まえれば良いだろう・・・ とは思うものの、 電線なんかそんな形で再資源化のルートに乗ったり、船などの装備品で使える物を外して(盗んで)中古品として再利用し、解体撤去の時期が早まる。 そんなの有っても良いだろうと思うのです。

 ただなー、泥棒野郎が遺体の懐を探ぐって現金や貴金属など盗むのは頂けない。 これを防ぐには今の作業も大変なご苦労をなさっているのを承知の上で、遺体探索作業をなさっておられる自衛隊や消防の方々に、遺体の懐を探る追加作業をお願いしたらどうだろう? と思うのです。 身元が分からない場合も多いでしょう。 そんな人が現金を持っていたら、その中身は災害復興の義援金扱いにするのです。 ネコババする捜索隊員が居るかも知れないって? それはそれで良いじゃないですか! そんなの少数派だと想い、目を瞑りましょう。


親族間での助け合い

 ある人々は昔の様に強い絆で助け合いを始めているようです。 2・3度このブログでも取り上げた被災地に実家を持つ知人Aさん。 東北地方の高速道路の通行規制が解除された先月末、津波ですべてを流された牡鹿半島の漁村のお兄さんと、石巻付近で住居の1階部分がめちゃめちゃになった親戚の救援に車で向かうと連絡があった。

 Aさんは、まづ石巻に向かい、1階がめちゃめちゃになった親戚の家の片付けを手伝い。 今日あたりは、高速バスを利用して石巻まで追いかける奥さんと落ちあい、次いで牡鹿半島で避難所生活しているお兄さんのもとを訪れて帰ってくる予定とか。

 最近の地震関連TV報道では避難所を訪れたキャスターが「今不足している物は何ですか?」 「今、必要な物は何ですか?」とインタビューしている風景が報じられている。 それに対して「飲んでいた薬が不足してます」とか「一刻も早い仮設住宅への入居」を希望するなどと答えているが。 このAさんが電話連絡のついた避難所生活しているお兄さんに必要な物を聞いた時の返事は

○ 「食料は足りている」

○ 「何か持って来てくれるなら、避難生活を一緒に過ごしている
   他の人々とも分け合える物を用意してきてくれると有り難い」

○ 「今、金をもらっても、物を買える場所が近所に無いし、
   町にも出かけられないから、今はいらない」

○「車が欲しい」

 そんな電話でのやりとりが有ったそうだ。  それでAさん、 乗って出かけた車は、すべてを流され避難所生活をしているお兄さんのリクエストに応えて、急遽入手した軽の中古車を、救援かたがた陸送して行ったのだ。 もちろん現地ではガソリンの入手も困難だから、予備の燃料タンク40リッター分ほども積んでだそうです。 軽自動車でそんな量の予備燃料を車内に積むなんて違反。 でも救援に向かうにも、現地で車を使って貰うにも、予備の燃料は絶対に必要と判断しての事でしょう。
コメント