リコピーの時代

2012-12-03 20:59:11 | サラリーマン人生
 「設計部署で仕事をしてます」そう言われたらどんなイメージを持つものだろうか? 幸か不幸か僕の場合、サラリーマン人生の大半を設計部署で過ごしたことになるんですが、 新入社員として入社した東亜電波工業で所属した部署nの名前は「設計課」、全社の製造図面の保管管理、 そして通信用測定器のケースや操作パネルの設計を担当する部署だった。 5年後に転職して働くことになった会社での分類の仕方で言えば”C系設計”を担当する部署でした。 他に電気回路の設計や、ペンレコーダーの様な可動部のあるメカ的な部分を設計を担当する部署が別にありました。

 まあ工業高校を卒業したての18歳のガキが最初から設計なんて出来るはずも無く。 最初の頃は図面管理の仕事が大半でした。 製品の生産計画が発動されると、それを製作するのに必要な図面一式分の原図を収納棚からピックアップして、コピーの外注業者に依頼してコピーしてもらう。 受け取ったコピー図面はA4サイズに折りたたんで、日付の入った赤いインクの出図印を押す。  またコピーなどのために貸し出した原図は時に傷んで戻って来るのだが、 破れた部分をあればテープで補修し、 決められた区分の引き出しに原図を再度収納する。 そんな補助的な仕事からサラリーマン人生の仕事は始まりました。

 今はコピー機。と言えばゼロックスに代表されるレーザープリンターが主流だろうけれど、 当時のコピー機はリコー製品の ”リコピー”が幅を効かせていた。 光の透過性の良い半透明な用紙(トレーシングペーパー)に書かれた設計図(原図)と淡黄色の感光剤を塗ったコピー用紙を重ねてコピー機の中に挿入すると... 感光剤を塗ったコピー用紙は定着液の中を潜り、青色した線画や文字の図面が出来上がる。 正常に動作していれば、原図とコピー用紙は分離されて排出される。 しかし機械の銚子が良くない時には原図とコピー用紙が分離されずに原図も定着液の中を通過して、定着液を被って原図がしわくちゃになったり、光の透過性が悪くなったり、 困ったコピー機でもあったのです。 
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