アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「誰か」のことじゃない

2020年05月13日 | Weblog
    東京2020公認の「人権啓発キャッチコピーコンテスト」の入賞6作品を以下に列挙しました。あなたは、どのキャッチコピーがいいと思いますかねえ?また、最優秀賞は、どのコピーだと思われますかな?
 なお、それぞれの作品に、アンティークマンの、独断と偏見に充ち満ちたコメントを無料でつけさせていただきました。御消毒じゃなくて、御笑読あれ!
 1 見知らぬその人は誰かの愛する人です
これは、新型コロナにかかわる自粛要請を無視して出歩く人への諫めですね。主張は伝わってきますが、いかんせん長い。
 2 していませんか?人くらべ。
言わんとするところは、分かります。だけどさあ、このコピーを作った人、上から目線じゃないですか?「人間は皆平等なんだよ。それなのに、あなたは、人を比べる行為をしているでしょう!だめじゃないのっ」…う~ん…。
 3 気づいてる?一番怖い無関心
あらら、これも上からだね。「気づいてないよなあ、無関心が一番悪いんだよ。気づけよなあ…」と、いうことね。上からだぁ。
 4 君が君 僕が僕で いる権利
これは、同じ目の高さですね。「♩ありのぉーままのぉー」ですね。自分らしく生きる権利を持っているという訴え。いいと思うよーっ!
 5 心を開くと、未来が拓けた。
これも、いいんじゃないの!「開く」と「拓く」を使い分けた。心を閉ざしたままじゃ、一歩も踏み出せませんからねえ。「未来が拓けた」に、高台に立って、広大な景色を見て微笑んでいる作者が目に浮かびます。
 6 「誰か」のことじゃない。
一瞬、これが人権啓発キャッチコピーなの?と、思いました。そう思わせただけで、このキャッチコピー、大成功ですね。
主張は…あれれっ!「1の 見知らぬその人は誰かの愛する人です」の要素が入っている。「2の していませんか?人くらべ」とも共通し、「3の 気づいてる?一番怖い無関心」とは、ほぼ同じ。「4の 君が君 僕が僕でいる権利」とは逆説的にくっついているし、「5の 心を開くと、未来が拓けた」とも繋がる。いいじゃないか、「『誰か』のことじゃない」。
 さあ、皆さんの評価はいかがでしたでしょうか。なお、このコンテストの最優秀賞は、「『誰か』のことじゃない」でした。
 これってさあ、「自分のこと(自分に降りかかってくること)なんだよ、そこに目を向けようよ」ってことですね。