アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

鹿が「シカト」した?

2020年05月01日 | Weblog
 ウサギの数え方をご存じでしょうか?
 ①一匹、二匹  ②一頭、二頭 ③一羽、二羽 ④一ぴょん、二ぴょん  
 正解は、③の「一羽、二羽」でしたぁ!理由ですかぁ?諸説あるようですが、私が支持している理由は、「四つ足を口にすることが禁じられていた僧侶が、二本足で立つウサギを「鳥(二本足)だ」と、こじつけて食べた。鳥とするからには、数えかたも、「一羽、二羽」にしなければ辻褄が合わないわけで…。
 なぬ?「二兎を追うもの、一兎をも得ず」という諺があるが、「一兎、二兎」とは数えないのかって?それでも良いですがぁ、豚を「一豚、二豚」と数えますか?ゴリラを、「一ゴリラ、二ゴリラ」と数えますか?一般的な数え方とは言えませんよね。
 四つ足を食べることが禁じられていた当時は、四つ足の肉を植物の名で呼んで、植物なら食べてもOKと、都合の良い解釈をして食べていた。例えば、「馬肉」を食べたのでは禁を犯すわけで、馬肉を隠語の「桜肉」と呼んで食べていた。「桜」なら食べてもOKですからね。(高価な牛肉と偽って、馬肉を売ったころ、牛肉のサクラなので桜肉と)
 誰でも知っている動物の隠語は…
 「猪(いのしし)」は、「牡丹(ぼたん)」とか、山鯨(やまくじら)。
 「猪」は、熱を加えると脂身がちぢれて、牡丹の花のように見えるところから「牡丹」と呼ばれたとか、肉を大皿に並べると、鮮やかな肉のいろどりが牡丹の花のようだからとか。いずれにしろ、猪を食べるための口実だね。
 歌川広重の浮世絵「名所江戸百景」に、ハッキリと「やまくじら」と書かれた縦長の旗が揺れている小料理屋(居酒屋?)の浮世絵があります。
 この店って…いいの?お役人は店主を捕らえないの?
 「いのしし」と書いてあれば、逮捕なのでしょうが、「やまくじら」ですから、四つ足じゃない。山に住んでいる鯨なので食べてもいい…。おそらくお役人も、「やまくじら4人前!」とか注文して、舌鼓を打っていたんじゃないのかあ?
 自慢ですが、私は、三代歌川広重の浮世絵(本物)を持っています。なぜ本物と断言できるのかって?実は、「なんでも鑑定団」に出たことがあるのです。鑑定士が、「本物です」と、言いましたから。
 「鹿」は「紅葉」。百人一首の「奥山にもみじ踏み分け鳴く鹿の 声きくときぞ秋は悲しき」から、「鹿→紅葉」ですね。
 花札にも、紅葉と鹿が一緒に描かれている。無視することを「シカト」といいますが、花札の図柄の鹿が、「そっぽを向いて無視しているように見える」ことから出来た言葉。なぬ?「シカト」の「シカ」は、「鹿」だと解るが、「シカトのト」はどこから持ってきたのかって?花札の鹿と紅葉の札は、10月の札。「鹿の十月」→「シカトォ→シカト」ってことですね。
 ソバ屋で、「柏ソバ」と言えば、「鶏肉」が入っています。鶏は二本足ですから、食べても御法度ではありませんでしたが、「桜」「牡丹」「紅葉」の流れから、鶏肉にも、植物か花の名前を当てたかったらしい。それで、「柏(かしわ)」は鶏肉(ニワトリの肉)の隠語になったわけ。由来ですか?「柏」の由来…は、「適当に名付けた」ってところでしょう。私的には、「柏の葉の形が、鶏の胴体の形に似ているかな」と。