アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

救缶鳥

2020年05月10日 | Weblog
 「救缶鳥(きゅうかんちょう)プロジェクト」、ご存じの方も多いのでしょうが、私はこのほど初めて知りました。で、「いいね!」と、思いました。
 九官鳥じゃないのかって?救缶鳥なのです。缶の中に入ってしまった鳥を救うプロジェクトかと思いきや…全く違いまして、鳥とは何の関係もありません。
 平成7年(1995年)、阪神・淡路大震災の被災者の声がきっかけで、「防災備蓄パン」が作られるようになりました。防災備蓄パンは、「缶詰のパン」。「パンの缶詰」というべきかな。
 パンの缶詰は、大規模災害や、新型感染症の流行といった緊急時に備え、地方公共団体や企業、家庭で購入され備蓄されています。我が家も一時備蓄しましたが、そのうち食べてしまい、補充していません。それじゃあダメジャンてかぁ。缶詰のパン、味は、「すこぶる美味しい」です。焼きたてパンを凌ぐ味といっても、決して過言ではないです。
 缶詰のパン、賞味期限は3年なのだそう。3年ごとに入れ替えなければなりません。
 で、総務省の調査では、国の行政機関の42%が、災害備蓄期間の更新時に「全て廃棄」していることが分かった!
 そ、そりゃあもったいないですよねぇーっ!半額で売ってくれたら、私はたくさん買いますよ!賞味期限など、無視してOK。たとえ、消費期限が切れていても、缶詰の場合は、急に腐ることはありません。消費期限後、少なくても数年は美味しく食べられます。いつから缶詰の専門家になったのかって?「亀の甲より年の功」ってやつですね。なにしろ、「STAR肉の缶詰」を食べた男ですから。
 閑話休題。「国の行政機関の43%が全て廃棄」…自分たちが作ったパンの缶詰が、捨てられている!これはショックなんてもんじゃないです。
 そこで、缶詰のパンを作ってきた人(栃木県那須塩原のパン屋さん。創業73年目に突入した、「パン・アキモト」さん)が、立ち上がった。
 備蓄したパンを廃棄することなく、被災地や飢餓に苦しむ人たちに提供する、「救缶鳥プロジェクト」を始めた。
 その心が素晴らしいです。売ったパンの缶詰ですから、「賞味期限が切れて捨てられても、自分たちには金銭的な損はない」。しかし、but,損得の問題じゃないんですねえ。
 3年間の賞味期限のうち、「2年半は非常食として備蓄していただき、期限の残りの6か月分」を、義援物資として海外へ送るシステム。いいぞ、救缶鳥!
 コロナ禍で社会が混乱する中、卑劣な商売で儲けようととする輩が跋扈する中、人を助けるパンを作る。防災備蓄用の缶詰のパンで被災者を助け、さらに餓死寸前の地球の子どもたちを助ける。
  飢餓によって、世界では日に4~5万人、年間で1,500万人以上の人が亡くなっている。そのうちの7割が子どもたち(ユニセフ 2018年時点)。1日に餓死する5歳未満の子は、18,000人 。4.8秒に1人の幼い命が失われている。
 缶詰のパン、食べさせてあげたいです。「救缶鳥プロジェクト」を知って、目の前に広がる世界が変わりました。無報酬で、働かせていただきたいです。
 なぬ?アンティークマンは、満足に歩けない体なので、じゃまになるだけだって?で、でん、電話番ぐらいならできますよ!口は達者だから!喋るのと食べるのを得意としています。「喋る」「食べる」…韻を踏むあたり、大したもんです。
 おっと、忘れるところでした。口が達者なので、飲むのも得意…。