ネットで検索しても,もうほとんど話題に上っていない「初代・コンバットスティック」。
日本初の競技用バスロッド。「勝つ」ためのロッドだった。
その後多くの模造品が生まれたが,オズマにとってはその生い立ちからして強烈であり,いまなお現役バリバリである。
先日,一度は手放した「ガニングシャフト」を購入しなおしたのも,青春時代の懐古趣味と,本格的にジグの釣りを復活させるか,という思いからである。
そして数えてみた。何本あるのかを。
袋は異なるが全部で11本。
新品だったら30万円オーバー。
購入した歴史を振り返ってみる。
①92年に「ガニングシャフト」を購入。北浦でラバジで釣りまくった。
②93年に「スカウトマスター」を購入。当時すでに苦手科目となりつつあったスピニングの釣りを「マスター」するために。
③96年に「スキッパー」を購入。フローターで短い竿がほしかった。
④99年頃「トュルーパー」を中古で購入。その「汎用性」がオカッパリには重要だと思ったから。
⑤00年頃「ウォーリアー」を中古で購入。横利根にまだ希望をもてた時代だったので,その遠投性能がほしかった。
⑥05年頃~「マシンガン」を中古でほぼ年に1本ずつ購入。霞の究極オカッパリは「ショートバーサタイル」ではないかと思ったため。これは都合4本ある。
⑦一度手放した「ガニングシャフト」を2009年に購入。一時は「スーパーマシンガン」が代役を務めていたが,初代の設計コンセプトを思い出すために,あえてライトハンドリールとともに。
このうち,「スカウトマスター」はあまりにも酷使したため,「バス」ロッドとしては完全に腰が抜けた状態になってしまった。しかし,その状態がかえっていいのか,海でキスなどを釣ると,キス専用の竿よりも「カケル」ことに優れているのか,竿頭を獲得したこともある(悪天候で3人しか釣り人が居なかったが....)。
初代は,それぞれが明確なコンセプトをもちながらも,ある程度の汎用性をもたせていたのがオズマとしては好印象である。当時,同様のコンセプトは,初代BSRシリーズ(スコーピオンプロチームができたころの「ジャパンスペシャル」)ぐらいしかなかったしね。
また,コンバットスティックは,それまで記号一辺倒だったロッドの世界に「名前」をつけたこと,その方法を確立したことでも印象深い。
たとえば「マシンガン」。すなわちマシンガンキャストのためのものであるというように。
竿の袋のロゴもカッコイイ。
ゴールドサーメット仕様はとくに差別化されていた。
この緑の竿袋。これは店頭でとにかく目立っていた。一番最初に見かけたのは川越の丸井に当時あった.....名前は思い出せないが,そのプロショップだった。
だが,友人達とはデビュー当時は結構バカにしていたものだ。
「高すぎる。」「3万円なんてありえない」
「ガイドとか,なんか武骨やねえ。」
などと言っていたが,社会人になってみると,友人達はこぞって「コンバット集め」を始めていた。
オズマは当時から変わっていたので「ガニングシャフトでラバジを究めよう」と考え,たしか武蔵境に当時あったプロショップの店員さんに「自作ラバジ」の作り方を教わったものだ(友人Kとともにだった)。
笑えたのは,その翌日である。
バイスをさっそく仕事帰りに買いに行った。新宿のサンスイで,たしか2000円のものだったと思う。すると,友人Kがすでに買っていたのだ。
「考えることは同じやね」
と言いながら,あとは毎日修練のようにラバジを巻いた。1日20個などという量産もした。
しかし,1995年ごろからバスブームが起こり,オズマの旧式の釣りではロクに釣れなくなってきた。1999年から本格的にダウンショットをはじめたときは,
「ライトリグ,スゴイ」
と思ったものだが,長くは続かなかった。
攻める,いかなるときも攻め抜く。守りのためのスピニングでなく,攻めるためのスピニング,そういう釣りがしたかったのだ。
そして「センコー」との衝撃的出会い。これは,まさに「攻めるノーシンカー」だった。スピナベで食わない魚が居る。しかし,「センコー」のスライディングアクションでキャッチできる。釣れるので面白い釣りだったが,やはりどこかで
「ワームじゃなくて.....やっぱりハードベイトで....」
という思いは募るばかりだった。
その結果選択したのが「マシンガン」だった。藤木プロのガイドを受けたときのアドバイス;
「ハードルアーは投げてなんぼやからね」
が心に残っていたのだ。
気がつくと,2005年ごろからそうした釣りになっていた。
初代「コンバット」の歴史は,オズマ自身の「釣り方」の歴史でもあったのだ。
長い話になってしまったが,これもようやく先が見えた仕事のおかげ。優秀なスタッフに囲まれてなんとか臨界点を越えたのだ。
この冬,いかにハードベイトで攻めるか。また,ジグを復活させるにはどうするか。
楽しみである。
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