駅のポスターで気づいた展示会。これは行ってみたいぞ。
運慶の作品を求めて全国を回ったつもりでいた。しかし,まったくそれは誤りで「灯台下暗し」だったことに気付かされた。
かれこれ20年以上前になるだろうか 京都出張に行って「見返り観音」に心を打たれて,そこから始まった仏像めぐり。
奈良・京都の国宝級にはほぼ行っているはずである。当時出ていたガイド本を頼りに,当時は出張もしばしばあったからずいぶんと「運のよい」仏様めぐりができたものだ。高野山にも行っているよネ。
滋賀は長浜で,母と現地待ち合わせで琵琶湖北湖の十一面観音巡りもしたっけ。あのときに食べた「焼き鯖寿司」の旨さといったらいまだに及ぶものがない。
ともかく今回は横須賀美術館なるところだというので,京浜急行で馬堀海岸駅まで行く。実はこのときに「まほり」と間違えて検索に引っかからず,帰路になって「まぼり」であることが正しいと知った次第である。また,バイアスがかかっていたようだ。
馬堀海岸は品川から特急を使って約50分。自宅からは1時間40分ぐらいだ。
馬堀海岸駅からバスで行けるとのことで,バス停まで行く。
着いたのは10時チョイ前だったので10分ほど待つだけで済んだ。
バスの運転手さんがこれまた見事なハンドルさばきである。都内だとATのバスばかりで乱暴なブレーキングに遭うこともあるが,MTを駆使した丁寧な運転が往復とも印象的だった。ちなみに,バス代は馬堀海岸から片道480円だった,はずである(スイカなのでよく見ていない)。
逆光でもしっかり撮影できる。2006年OPENというからかなり新しい。
丘の上にあるので眺望が素晴らしい。
受付に行くとすでに30名ぐらいが並んでいた。コロナ禍だったら「なんとか距離」をとるものだったのに,「詰めてください」というアタリマエの掛け声。ああ,「ソーシャルディスタンス」だったっけ。とっくに消えてるね。
入場料は1000円。さっそく入って見てみようと流れに従うと,絵画について疎い僕に「これでもか」というほどの展示がある。興味があればよいのだろうが,絵画にいまいち興味がないんだよなあ...。「書」だったらいいのに。
お待ちかねの展示に来たら,いやもう,これが素晴らしいとしか言えない。これらが運慶の作であることはたしかにわかる。独特なリアルさを追求しているし。
銘札(めいさつ)に,しっかり「運慶」の文字が読み取れることにも感動。そういえば「生きている仏様」ばかり観ているせいで,こうした胎内のものは博物館ぐらいでしかお目にかかれないものなあ。
本当は手をあわせて拝みたくなるところだが,今回は芸術品。京都・奈良のように遠くないからまた来よう。そのときは「生きている仏様」にお会いしてこよう。ガイドブックをしっかりもらったので,予習しないとネ。
復路のバスは観音崎から乗る方がよいとのことで歩いてみた。
汗ばむほどの陽気であったが,終始気持ちよい こういうのを観光・趣味っていうんだよなあ。自分の「釣り」は生活の一部なんだよネ...。
観音崎灯台だ。
何も事前に調べてこなかったのでコンビニくらいあるかと思いきや軽食店が1店舗だけ。なるほど。
もう,ここに入るしかない。価格が安めなのが嬉しいし,ここは安定の「ビーフカレー」にしよう。
もちろん昼ビールだよ。
カレーと込で1310円だった。東京より安いし,ここのカレー,わるくなかったね。
食後は観音崎周辺を散策してみよう。
親子が釣りをしていたり,釣りのボートが浮かんでいたり。なんかこういう「普通の釣り」したくなってきたなあ。海でハゼとかキスとか,できればカレイとかね。いまは船代も高いけど,あれはあれで楽しいんだよなあ。
そして食後の楽しみと言ったらコレでしょう。
いつもミントを買ってしまうが今日はバニラ。
買ってみたら,二周りぐらい小さくなっているような気がした。そもそもかなり高いし。180円もしたっけか
とりあえず,海をもうちょっと眺めて帰ろうかな。
穏やかな海だった。クサフグが釣れていた。
帰路は横須賀駅行のバスに乗ってやはり馬堀海岸で降りる。電車は数分待ちで来たので早かった。堀之内で来た特急に乗り換え,クロスシートに寄りかかって寝ていたら,あっというまに品川に戻っていた。
それにしても,文化庁もなかなかやるなという感じだ。自分は「生きた仏」ばかりを追っていたため,逆の視点から観ることができていなかった。なにより,鎌倉国宝館・金沢文庫でも展示があるというではないか。
鎌倉はオーバーツーリズムが気になるが,とにかくまた行ってみよう。
自分が「何もわかっていない」ことが「わかった」だけでも意義ある小旅行だった。そして,電車とバスにバンザイだ。渋滞なく,東京からの往復で2500円程度の交通費で済んだのだからネ。