「やっぱり株屋は信用されていない」「株をやっていると、地方だと何となく怪しいと(思われる)」・・・21日の麻生首相の発言です。有識者会合という場での発言としては問題なしとはいえませんが、本音と思しき発言の内容そのものはまったく妥当なものです。しかしながら、長い歴史のある一流企業が名を連ね、営業収益の総計が年間5兆円近くにもなる証券業界が「信用されていない」のはやはり奇異な現象です。
伝統的に「信用されていない」理由は株式投資が賭博に近いことと、損をする人が大量に出続けることでしょう。証券会社は売買時の手数料収入が収益の大半を占めているため、客に頻繁な売買を勧めざるを得ない事情があり、そのため会社と投資家の利益が相反するところが多分にあります。
つまり客が長期の投資をすれば会社の利益は落ち込むわけで、短期の投機的取引に客を誘う必要があるわけです。証券業界では「客を三人殺さなければ一人前ではない」などと言われてきましたが、これは利益が相反する事情を雄弁に物語っています。客の利益を大切にする人にとっては勤まりにくい業界だといえそうです。
これに対して他の業界では消費者の利益になる商品やサービスを提供することが自らの利益につながるわけですから、両者の関係は双方の利益実現が主になります。ここでは利益の追求だけでなく、消費者のために役立つことができるという好ましい動機も存在することができます。
米国ではリーマンなど、証券会社による詐欺まがいの商法に加え、常識を逸した高額報酬が問題になり、また、業種が若干異なるものの、政府の救済を受けたAIGの高額ボーナスが激しい批判を受けました。
証券業界は自らの利益追求という動機が並外れて強い業界と見ることができるのではないでしょうか。内容には少し違いがありますが、日米ともこの業界は異質なものを持っているようです。
伝統的に「信用されていない」理由は株式投資が賭博に近いことと、損をする人が大量に出続けることでしょう。証券会社は売買時の手数料収入が収益の大半を占めているため、客に頻繁な売買を勧めざるを得ない事情があり、そのため会社と投資家の利益が相反するところが多分にあります。
つまり客が長期の投資をすれば会社の利益は落ち込むわけで、短期の投機的取引に客を誘う必要があるわけです。証券業界では「客を三人殺さなければ一人前ではない」などと言われてきましたが、これは利益が相反する事情を雄弁に物語っています。客の利益を大切にする人にとっては勤まりにくい業界だといえそうです。
これに対して他の業界では消費者の利益になる商品やサービスを提供することが自らの利益につながるわけですから、両者の関係は双方の利益実現が主になります。ここでは利益の追求だけでなく、消費者のために役立つことができるという好ましい動機も存在することができます。
米国ではリーマンなど、証券会社による詐欺まがいの商法に加え、常識を逸した高額報酬が問題になり、また、業種が若干異なるものの、政府の救済を受けたAIGの高額ボーナスが激しい批判を受けました。
証券業界は自らの利益追求という動機が並外れて強い業界と見ることができるのではないでしょうか。内容には少し違いがありますが、日米ともこの業界は異質なものを持っているようです。