昨年の12月20日午前4時15分ごろ、阪和自動車道の内畑第一トンネルで、乗用車が道路中央のガードレールに接触、弾みで横転した事故がありました。乗車していた男性5人のうち2人が死亡、運転者は現行犯逮捕されました。走行中にパンクしたのが原因とされているようです。
もうひとつの例。これより少し前の17日午前3時10分ごろ、滋賀県甲賀市信楽町黄瀬の新名神高速道路上り線で、事故で停車していた乗用車に大型トラックが追突し、大破した乗用車の男性1人、女性2人が死亡しました。県警高速隊は大型トラックの運転者を現行犯逮捕。乗用車が別のトラックに追突して走行車線で停車していたところに大型トラックが突っ込んだらしいということです。追突された乗用車は無灯火で、車体は黒色でした。
最初にあげた例では事故の原因はパンクとされています。パンク事故まで逮捕に値する過失にされてはかないません。これを大きい過失とするなら、普通の運転者は高速時のパンクでも安全に止められるということが前提になります。そのためには運転免許の試験で高速走行時に予告なくパンクさせ、安全に停止できるかをチェックする必要があるでしょう。
次の例ではトラックの運転者が前方をよく見ていなかったのでないかという疑いをかけられているようですが、深夜の高速道路に黒い物体が置かれていれば誰かが衝突するまでにさほどの時間はかからないことと思います。運転者に大きな過失があると主張する人は黒い服を着て深夜の高速道路に立ってみればよいと思います。衝突する車が決して珍しくないことがわかるでしょう。雨天時のカーブなら最高の条件です。
余談ですが、昔ドイツの会社が自動車の色と事故の関係を調べて発表したことがあります。当然、明るい色の方が安全だということであったと記憶しています。他の調査でも黒は事故率の高い色とされているようです(異なる結果の調査もあり)。
2007年6月の朝日の記事「交通事故逮捕 基準はどこに」には次のような記述があります。
『逮捕されると、20日間以上にわたって身柄を拘束され、取り調べを受ける可能性がある。被害者の人生ばかりでなく、運転者側の生活にも大きな影響が出るのは必至だ。
逮捕について定めた刑事訴訟法によると、逮捕は証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合に限ると規定されている。
実際の運用はどうなっているのか。(神奈川)県警交通捜査課によると、飲酒運転による事故やひき逃げの場合は逮捕、被害者が死亡したり、運転手の過失が大きかったりする場合も原則逮捕という。しかし、判断に迷うケースも少なくなく、そうした場合は現場にゆだねられるのが実情のようだ。
同課の松原敏勝課長代理は「近年は交通事故の被害者が厳罰を求めるケースが増えている。警察も、交通違反者に対して厳しい姿勢でのぞむ傾向にある」という』
被害者が加害者に対して厳罰を求める風潮を煽ったのは正義面をしたマスコミですが、警察が過失の少ない者まで生贄(いけにえ)にして迎合するのは、情けないことです。警察はマスコミの下請け機関になり下がっているかのようです。
厳罰化傾向を推し進めたのは2006年に起きた福岡の飲酒運転事故だといわれています。しかしこの事故はきっかけに過ぎず、厳罰化を推進した主役は事故を大々的に報道したマスコミであります。
読者・視聴者の歓心を買うために、マスコミが正義(偽善?)を振りかざし、悪を糾弾し続けることによって、社会からは寛容さが徐々に失われていくように思います。おそらくそれは皆が望んだ結果ではないでしょう。
もうひとつの例。これより少し前の17日午前3時10分ごろ、滋賀県甲賀市信楽町黄瀬の新名神高速道路上り線で、事故で停車していた乗用車に大型トラックが追突し、大破した乗用車の男性1人、女性2人が死亡しました。県警高速隊は大型トラックの運転者を現行犯逮捕。乗用車が別のトラックに追突して走行車線で停車していたところに大型トラックが突っ込んだらしいということです。追突された乗用車は無灯火で、車体は黒色でした。
最初にあげた例では事故の原因はパンクとされています。パンク事故まで逮捕に値する過失にされてはかないません。これを大きい過失とするなら、普通の運転者は高速時のパンクでも安全に止められるということが前提になります。そのためには運転免許の試験で高速走行時に予告なくパンクさせ、安全に停止できるかをチェックする必要があるでしょう。
次の例ではトラックの運転者が前方をよく見ていなかったのでないかという疑いをかけられているようですが、深夜の高速道路に黒い物体が置かれていれば誰かが衝突するまでにさほどの時間はかからないことと思います。運転者に大きな過失があると主張する人は黒い服を着て深夜の高速道路に立ってみればよいと思います。衝突する車が決して珍しくないことがわかるでしょう。雨天時のカーブなら最高の条件です。
余談ですが、昔ドイツの会社が自動車の色と事故の関係を調べて発表したことがあります。当然、明るい色の方が安全だということであったと記憶しています。他の調査でも黒は事故率の高い色とされているようです(異なる結果の調査もあり)。
2007年6月の朝日の記事「交通事故逮捕 基準はどこに」には次のような記述があります。
『逮捕されると、20日間以上にわたって身柄を拘束され、取り調べを受ける可能性がある。被害者の人生ばかりでなく、運転者側の生活にも大きな影響が出るのは必至だ。
逮捕について定めた刑事訴訟法によると、逮捕は証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合に限ると規定されている。
実際の運用はどうなっているのか。(神奈川)県警交通捜査課によると、飲酒運転による事故やひき逃げの場合は逮捕、被害者が死亡したり、運転手の過失が大きかったりする場合も原則逮捕という。しかし、判断に迷うケースも少なくなく、そうした場合は現場にゆだねられるのが実情のようだ。
同課の松原敏勝課長代理は「近年は交通事故の被害者が厳罰を求めるケースが増えている。警察も、交通違反者に対して厳しい姿勢でのぞむ傾向にある」という』
被害者が加害者に対して厳罰を求める風潮を煽ったのは正義面をしたマスコミですが、警察が過失の少ない者まで生贄(いけにえ)にして迎合するのは、情けないことです。警察はマスコミの下請け機関になり下がっているかのようです。
厳罰化傾向を推し進めたのは2006年に起きた福岡の飲酒運転事故だといわれています。しかしこの事故はきっかけに過ぎず、厳罰化を推進した主役は事故を大々的に報道したマスコミであります。
読者・視聴者の歓心を買うために、マスコミが正義(偽善?)を振りかざし、悪を糾弾し続けることによって、社会からは寛容さが徐々に失われていくように思います。おそらくそれは皆が望んだ結果ではないでしょう。