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脱官僚依存は実現可能か

2009-09-17 09:37:01 | Weblog
 このところ、官僚は諸悪の根源のようにみなされている感があります。もっとも、官僚が主導権を握ることによってさまざまな弊害が生じていたのも多分事実だと思います。

 民主党は、政治の下に官僚を置くことによって、官僚依存からの脱却を掲げています。そのために100人の国会議員を政府に送り込むなどの対策を進めているようです。現在は70人だそうですから、約5割増しということになります。

 官僚支配が続いてきたのにはいろいろな理由があると思いますが、最大の理由は政治家が官僚を支配・指導できるだけの知識と能力を持たなかったことではないでしょうか。国交省や厚労省などで長年仕事を続け、十分な知識をもった官僚に、それまで部外者であった政治家が対等に立ち向かうことはもとより大変困難です。

 さらにここ数年、大臣の平均寿命は1年程度ですから、その間に担当する省庁の仕事を理解し、問題点を把握するのは余程の人物でない限り、無理でしょう。1年程度でころころと変わり、それが問題ともされないのは初めから大臣としての役割をさほど期待されていないのでしょう。それは官僚主導体制を認めていることになりますが。

 1年程度で首が飛ぶ役職のために懸命に勉強をする意欲が起きるかも疑問です。また中途半端な知識で政策を強行して失敗をするより、無難に任期を終える方がよいという気持ちにもなるでしょう。むろん、思うところの政策を実行するため、懸命な努力が感じられる大臣もいますが、決して多数ではありません。

 大臣が官僚の作成した答弁書を国会で読み上げる姿は官僚依存の象徴です。それは半ば慣習化されているようでニュースにもなりません。誰にでも大臣が務まるように配慮された親切な仕組みなのでしょう。

 脱官僚依存を実現するためには官僚を従わせるだけの知識と能力をもつ政治家が必要であって、人数だけで解決できる問題ではないと思います。

 今回の選挙では民主党のうら若い議員が大量に生まれましたが、投票した有権者は彼・彼女らが官僚を凌駕するだけの識見と能力をいずれ持つことを期待したのでしょうか。

 脱官僚依存の第一歩は官僚の記者会見を禁止して、官僚の口を塞ぐという情報統制から始まったようです。しかしこの強権的とも言える手法は的を射たものとは思えません。官僚の口を塞いでも、大臣が十分な識見を持たずして政策を強行すれば混乱を招くだけでしょう。


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