Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

潮流を正しい力に換えるには

2011-07-30 | テクニック
都市熱の利用法などがラジオで話されていた。学会を募って利用するということは都市熱の削減に繋がるということであろう。脱原子力依存とか言っても、今まで原子力を推進していた以上に再生可能エネルギー開発を後押ししていかないことには実用化へのリスクを背負って開発を進める企業はない。そもそもこうしたヴェンチャー企業を支援するだけの社会構造がないと経済は老化する。

スペインで世界初の波動エネルギー利用の商業発電所が操業したらしい。波動といっても波の力をそのまま利用するというのではなく、波の打ち寄せをパイプへと導いてその空気の呼吸圧でタービンを回すようなシステムである。要するに海水と接触しない。

そのタービンは、スコットランド人アラン・ウェルスが二十年以上前に開発したシステム(oscilating water column)で、呼吸の両方向へのヴェクトルの相違にかかわらず飛行機の羽の渦のように同じ方向へとタービンのフィンを回すことが味噌となっているようだ。

それによって今回操業の250KWの能力のそれはハイデンハイムのフォイト社のものとなる。250軒分の電力を賄う程度なので、海中に大きな土手を作り、3メートルほどの釜を海中にかぶせるような構造なので、まだまだ商業的にはこれからだろうが、世界最初の実用化には他ならないらしい。さらにタービンの騒音を打ち消す消音層が静寂を守るように工夫されている。

しかしこのシステムは波の高さによってその発電量が変わるのは当然で、所謂潮流の動きを電気に変えるシステムではない。同じ会社がやはり試みているのは、海中に風車を設置するような海流の流れをそのまま電気に変えるシステムである。つまり一日に一度その向きを変えて発電することになる。これによって現在出来ているテスト発電は300KWほどであるが、風に影響されない反面海中に使っているゆえの耐久性やメンテナンスの費用は大きいようだ。

そうした中で潮位の差の大きさの位置エネルギーを利用する方法としてフランスのサン・モロのシステムが有名で、これも240KWの発電を可能としている。この場合に重要なのは発電機の特徴で永久磁石によって常時発電できるようなタイプを使うことが効率に結びつくというのだ。

その韓国での実験の延長として、ソウルの南西40KMのシーワで完成したダムが水の腐りから使えないことが分り、12KMに延々とするダムが潮位差ダムに流用して使われるというのである。これによって生じる電力が234MWと予想されていることから、四から五機で原発一機分の発電量に相当する。



参照:
Strom aus der Kraft der Wellen, Georg Küffner, FAZ vom 26.7.2011
節約の結果としての公共料金 2011-02-13 | 生活
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