日本から最も参考にされていたドイツの気象台DWDの福島スピーディー情報公開が昨日限りで停止されたようだ ― 昨日の記事のプレス発表で公表されたのだろう。理に適った対応と思われる。なるほど今も水蒸気を吐き出しているように、今だ水温が高く、操業停止ならびに罰則規定に相当するだけの放射性物質を吐き続けていることは分っている。しかし、テプコの説明通り、当初に散々拡散した量とは比較しようがない。
当初から気象台のサイトに明示されていたように発生源の放射能の質と量がパラメーターとしては考慮されていない概ねの予想図であったのだが、それでも当初数日間の情報は十分に参考になったに違いない。今でもテプコすら発生源のパラメーターを特定出来ずにいることから日本のSPEEDIEシステムが現在においても厳密に使えないことは、その開発当初から分かっていた筈である。しかしそれを理由に日本政府は公表を渋り、ドイツの気象台はそれでも参考になる情報として公開したのであった。そして少量の塵が計測限界内で都内まで届くような可能性が殆どなくなった今の時点で、無駄な公表を避けるのは当然であり、当初に示した汚染された気団のグラフィックこそが数え切れない日本人の被曝の状況を実際的に表していたことを尚更ながら強調するのである。
なるほど保安院や協会などは炉内温度を下げることで ― 炉の温度が高いということは全ての燃料の溶けた熱い固まりが炉外へ滑り落ちているとは考えられない ― 更なる揮発性の物質の拡散を抑えるようにテプコに要求しているのだが、このまま十年以上も吐き続けるとなると全く事情は異なるであろう。しかし、工程表によれば湯気を上げない程度の温度に下げることで、既に汚染された外部のバックグランドの線量よりも低く抑えることで、見かけ上検出出来ないぐらいにして、今後数年間の状況を見るつもりなのだろう。
テントを掛けて拡散を抑えることも、燃料体が既に全て水に陥没しているとすれば、もはやその必要もあまりなくなるに違いない。寧ろ、その核燃料を溶かした水の扱いこそが問題となるのであろう。
要するに、操業停止になるようなスカラー4に相当するような事故の今でも続く大気環境への放出などは無視できるほどに、既に東北関東圏は汚染されている。もはや何をしても味噌糞一緒なのである。その中でも既に三月十九日に書いたように、その時点で外部被曝をしていたか、どこかに逃げていたかの差異は今から考えると大きく、生涯の被曝量を左右する重要な分岐点となったであろう。あの時点では先は見れなかったので仕方がないのだが、あとから考えてももはや不可逆状態なのである。あとの祭りである。あの十日から二週間ほどを遠くで過ごせていたならば被曝量を激減できたに違いない ― ネットの映像では福島のお母さんが自らの無知ゆえの子供への被曝を嘆いていたが、災害時にはネットで情報を流しても限界があり、こうした悲劇はSPEEDIEの情報公開でこそ避けれたのだ。
外部被曝の量は、まだまだホットポインツなど発見されても、今後はある程度は管理された状態での被曝となるが、当初の吹き出しによる被曝は都内においても猛烈なものであったことは実証されている。なるほど細野大臣が語るように実際上限がないので、都内に関しては一切発言していない政府も「自主的な避難を推奨」していた訳で、実際に世界の国々は在日公館を通じて在東京の自国民を東京圏から離したのであった。
これからは内部被曝に注意することしかなくそれが肝要なのであるが、もはや政府の情報や流通機構などを信用する「被曝者」はいまい。ドイツ駐日大使が「日本旅行は汚染情報がはっきりしているのでミュンヘンより安全だ」と宣伝していたが、「一体何を食べればよいのだ」と私は毒づいた。ドイツから団子でも携えて日本旅行をしろというのか。
もしドイツの気象台が、そこに書いてあるように、必要ならば再開するような事態とは、何らかの状況で再び激しく放射線物質が大気中に飛び散る破局的な状況しかありえない。水蒸気爆発という最悪の状態が今まで起きていなかったことの方が奇跡であると言う意見は多い。寧ろそれよりも強い余震や津波で他の格納炉が破損するような事故の方が遥かにありえる再開のシナリオかもしれない。
参照:
☆ 【拡散】ドイツ気象庁へのお願いメールを出してください。 (風信子(ひやしんす)の☆本の紹介&エッセー☆俳句)
ふくいちライブカメラ (テプコ)
健康・環境被害とは風評なのか? 2011-03-19 | アウトドーア・環境
グリーンピース発表によると 2011-03-30 | アウトドーア・環境
情報の隠蔽も未必の故意 2011-07-01 | マスメディア批評
温暖化の中での冷夏の印象 2011-07-27 | 暦
当初から気象台のサイトに明示されていたように発生源の放射能の質と量がパラメーターとしては考慮されていない概ねの予想図であったのだが、それでも当初数日間の情報は十分に参考になったに違いない。今でもテプコすら発生源のパラメーターを特定出来ずにいることから日本のSPEEDIEシステムが現在においても厳密に使えないことは、その開発当初から分かっていた筈である。しかしそれを理由に日本政府は公表を渋り、ドイツの気象台はそれでも参考になる情報として公開したのであった。そして少量の塵が計測限界内で都内まで届くような可能性が殆どなくなった今の時点で、無駄な公表を避けるのは当然であり、当初に示した汚染された気団のグラフィックこそが数え切れない日本人の被曝の状況を実際的に表していたことを尚更ながら強調するのである。
なるほど保安院や協会などは炉内温度を下げることで ― 炉の温度が高いということは全ての燃料の溶けた熱い固まりが炉外へ滑り落ちているとは考えられない ― 更なる揮発性の物質の拡散を抑えるようにテプコに要求しているのだが、このまま十年以上も吐き続けるとなると全く事情は異なるであろう。しかし、工程表によれば湯気を上げない程度の温度に下げることで、既に汚染された外部のバックグランドの線量よりも低く抑えることで、見かけ上検出出来ないぐらいにして、今後数年間の状況を見るつもりなのだろう。
テントを掛けて拡散を抑えることも、燃料体が既に全て水に陥没しているとすれば、もはやその必要もあまりなくなるに違いない。寧ろ、その核燃料を溶かした水の扱いこそが問題となるのであろう。
要するに、操業停止になるようなスカラー4に相当するような事故の今でも続く大気環境への放出などは無視できるほどに、既に東北関東圏は汚染されている。もはや何をしても味噌糞一緒なのである。その中でも既に三月十九日に書いたように、その時点で外部被曝をしていたか、どこかに逃げていたかの差異は今から考えると大きく、生涯の被曝量を左右する重要な分岐点となったであろう。あの時点では先は見れなかったので仕方がないのだが、あとから考えてももはや不可逆状態なのである。あとの祭りである。あの十日から二週間ほどを遠くで過ごせていたならば被曝量を激減できたに違いない ― ネットの映像では福島のお母さんが自らの無知ゆえの子供への被曝を嘆いていたが、災害時にはネットで情報を流しても限界があり、こうした悲劇はSPEEDIEの情報公開でこそ避けれたのだ。
外部被曝の量は、まだまだホットポインツなど発見されても、今後はある程度は管理された状態での被曝となるが、当初の吹き出しによる被曝は都内においても猛烈なものであったことは実証されている。なるほど細野大臣が語るように実際上限がないので、都内に関しては一切発言していない政府も「自主的な避難を推奨」していた訳で、実際に世界の国々は在日公館を通じて在東京の自国民を東京圏から離したのであった。
これからは内部被曝に注意することしかなくそれが肝要なのであるが、もはや政府の情報や流通機構などを信用する「被曝者」はいまい。ドイツ駐日大使が「日本旅行は汚染情報がはっきりしているのでミュンヘンより安全だ」と宣伝していたが、「一体何を食べればよいのだ」と私は毒づいた。ドイツから団子でも携えて日本旅行をしろというのか。
もしドイツの気象台が、そこに書いてあるように、必要ならば再開するような事態とは、何らかの状況で再び激しく放射線物質が大気中に飛び散る破局的な状況しかありえない。水蒸気爆発という最悪の状態が今まで起きていなかったことの方が奇跡であると言う意見は多い。寧ろそれよりも強い余震や津波で他の格納炉が破損するような事故の方が遥かにありえる再開のシナリオかもしれない。
参照:
☆ 【拡散】ドイツ気象庁へのお願いメールを出してください。 (風信子(ひやしんす)の☆本の紹介&エッセー☆俳句)
ふくいちライブカメラ (テプコ)
健康・環境被害とは風評なのか? 2011-03-19 | アウトドーア・環境
グリーンピース発表によると 2011-03-30 | アウトドーア・環境
情報の隠蔽も未必の故意 2011-07-01 | マスメディア批評
温暖化の中での冷夏の印象 2011-07-27 | 暦