デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



レプッブリカ広場

正月の三が日なので、初日の出をイメージするものを上げるのもいいかなと思ったが、日が射し込む光景で印象に残っているところを思い出したので、その光景がどんなものだったか触れてみたい。


サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会

ローマのテルミニ駅から地下鉄で一駅、いやテルミニ駅から徒歩でいける教会にサンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会がある。この教会については以前紹介したことがあるが、それは下の画像である。


浴場のエクセドラ(半円形上につくられたくぼみ)を利用した入口

サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会は多くのガイドブックでも紹介されている有名な教会だが、以前書いたとおり、この教会は古代ローマのディオクレティアヌス浴場の跡を利用してつくられているのである。教皇ピウス4世の命令で作り直されたこの教会のプランはミケランジェロが立てたものであった。


朝日が射す

教会に行ったのは朝の7時台だった。古代の公衆浴場、それもカラカラ大浴場に匹敵する大きさをもったディオクレティアヌス浴場の跡を利用してつくられた教会。とにかく大きく荘重なことに圧倒されつつも、優美な整然さあった。今の姿は後の時代の改修によってミケランジェロの頃の姿とは異なる部分も少なくないという。けれども、バロックのボッロミーニのとは異なり、ボッロミーニより前のルネッサンスならではの、直線的な遠近法やシンメトリーを意識した柱の配置や装飾の仕方はミケランジェロの時代を感じさせるように思った。















朝のお祈りに訪れる人はまだ少ない時間帯というのもあって、教会の静けさと広くて荘重な空間をゆっくりと堪能できた。
教会の建物自体、日の出や日没の光の効果で演出するための設計になっていることが多いものだが、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会はステンドグラスで作られた色ではなくて、そのまま太陽光の色が入ってくるところが古代ローマの要素っぽいものが残っていていいように思った。古代の遺跡を資材調達の場だと考えず、古いものに敬意を払いその遺跡と新しいものとを同時に生かすことに成功した貴重な例をもつ教会は、キリスト教やルネッサンス、そして古代をしのぶよすがを訪れる人間に与え続けているのである。

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