デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



最近読んだ本に年間に(ビデオを含め)映画を700本見る学生の話を紹介しているものがあったが、私は昨年8本(年間)であった。今年は一月の時点ですでに4本は見る予定のできたものがあるから、もし一ヶ月に一本以上見るとしたら、昨年よりは増えそうである(笑)。

今年の一本目は「ノーマ・レイ」(1979)。この映画を選んだのは久々にアメリカの社会派映画を見たいと思ったからである。その見たいと思った理由は今読んでいるメアリー・マッカーシーの『アメリカの鳥』という小説の影響があるかもしれない。
まだ読書の途中なので詳しくは書けないが、『アメリカの鳥』は現代アメリカの精神史を表現しているものとしては卓抜した作品であるような気がしてきているのである。この感覚は数年前に読んだリースの『サルガッソーの広い海』以来、久しく得ていなかった。そこで、20世紀という時代で思い悩むアメリカ人を描いた映画をとりあえず見てみたくなったのだ。
「ノーマ・レイ」は、夢も希望も理想もなく劣悪な労働環境および不正な賃金体系に何の疑いを持たない紡績工場の工員の一人で、独身で二人の子をもつ、男には弱いが、物事の先頭に立つことを厭わない女性が、労働運動に参加することで環境を改善していき一人の自立する女へと成長を遂げていく話である。
無知であることの恐ろしさと勉強と粘り強い熱意の大切さなどを考えさせられたが、労働環境を改善しようと動き始めてから工場でノーマの父親が突然死したこと、そして会社が組合への圧力に違法な脅しや暴力を用いたことも大きなポイントだろう。またノーマのプライベートはだらしなくとも、労働現場や組合の仕事では分け隔てなくやることはきちんとやっているという彼女への周囲の分別力はすばらしい。それに引き換えあの教会の神父は…(笑)。神父のあの姿勢も時代を感じさせた。
次は、「招かれざる客」を見る予定。

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