山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。
と思っていたけど、もうそんな年齢じゃなくなってきた。

平山郁夫“祈りの旅路”

2007-10-12 01:27:27 | 美術・美術館
本日は東京国立近代美術館に行ってきました。平山郁夫の展覧会がもうすぐ終わってしまうからです。
最初は特に行く気はなかったのですが、近所の知人がよかったと言っていたのと、先日の岡倉天心のシンポジウムで平山画伯のお話を直接聞き、芸大でパンフレットももらってきたことで、関心が高まりました。
平山画伯の絵は、なんだかよく知っているような気がしていたのですが、考えてみると本物を見たことはほとんどなかったようです。あまりにも有名で、時々テレビなどでも扱われたりするので、知っているような気になっていただけでした。
どなたかもブログに書いてあったのですが、行ってみると大きな絵がたくさんあり、縮小したものではけっして味わえない良さを満喫することができました。
どの絵も丁寧に心を込めて描かれているようでした。音声ガイドを借りて聞きながら見たのですが、平山先生ご本人の声の解説でした。
すべてのことに対してやさしく、こころをこめる人だと感じました。
東洋の広い地域を歩きながら、これだけたくさんの絵を描かれるということは、ものすごいパワーであり情熱が必要でしょう。苦労や苦痛もあるはずですが、絵からはそのようなものは感じられず、落ち着いていて、どれも温かい真心がこもっているようです。それは、宗教的な悟りがあるからなのでしょうか。
音声ガイドの中で「お釈迦さん」という言葉が何度か出てきましたが、その言い方がとても心の和むものでした。このあいだのシンポジウムのときは「天心先生は~」という言い方をされていて、それも岡倉天心を尊敬しているという謙虚な気持ちがにじむような言い方だったと思います。
赤い炎に包まれた広島の絵は印象的でした。地も空も真っ赤で、空に不動明王がいます。地上には原爆ドームなどが描かれています。
この絵は、人間の苦悩や怒り、悲惨さを超越しているようです。それは、あまりにも強い苦しみや悲しみがあった後にこそ、長い年月を経た今になって表現されたものなのでしょう。
この絵の前でしばらくたたずんでいました。
この赤とは対象的に、青い厳島神社の絵も印象的でした。
まだまだ、印象に残った絵はたくさんありますが、今日はこのへんにしておきます。

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