マイブーム「〇〇ベートーヴェン」ということで、「どこかでベートーヴェン」「もういちどベートーヴェン」(中山七里)の次に続いて、「つべこべいわずにベートーヴェン」を選んだ。
図書館で、先週はベートーヴェンコーナーを作るために取り除けられていた書籍たちが、今週になったら、まるで私のために用意されたように、1か所に並べられているではないか。その中から選んだもの。
これは、エッセイだ。
面白おかしく軽い文章で書いてあるから、読みやすいだろうと思って選んだのだ。
本当は、この本については読み終えてから感想を書こうと思っていた。
だが、ふとついさっき著者の「砂川しげひさ」という人のことを調べてみたのだ。
1941年生まれと本に書いてあるので、かなり年配だ。今は何歳になられるのか?
そしてwikiを読んでみた。
なんと2019年3月6日に逝去されていた。ちょうど1年前じゃないか!
今これを書いているのは3月9日に日付が変わったばかりだが、図書館で借りてきたのが3月7日だった。私は不思議なことに、こういう偶然が多いのである。
この方は漫画家らしく、本の中の挿絵もとても面白い。
ベートーヴェンさんは、作曲家の中の長男だそうだ。
次男がモーツアルト。3男シューベルト、4男ブラームス、そしてショパン、リストと続いて末っ子がマーラー。マーラーは多くの兄がいるが、彼にとって長男の存在が非常に強い。
ベートーヴェンの父はバッハである。ハイドンは叔父(父の弟)という位置づけ。
異母兄弟がワーグナーで、その弟がシュトラウスなのだとか。
これは面白く、わかりやすい。音楽の歴史など、私は全くしらないけど、なんとなくわかるような気がする。
ベートーヴェンは整理整頓ができず、部屋はごっちゃごちゃだったが、頭の中だけは整理整頓されていたそうだ。
父はテノール歌手で酒飲みアル中、ろくな人じゃなかったらしい。祖父が皇帝歌手(バス)で立派な人であり、その血を引いたようだ。
読み進むと、だんだんピアノ協奏曲、バイオリンソナタ、弦楽四重奏等の話になり、私はそれらの曲を知らないので、ユーチューブで聴いてみたりしたが、ちょっとわかりにくくなってきてしまった。
今そのあたりまで読んでるけど、引き続き読もうと思っている。
この砂川という人、ベートーヴェンの前に「なんたってモーツアルト」という本を書いている。確かに、世の中がモーツアルトブームだった時代があった。
モーツアルトは天才だが、女たらしで人間としては尊敬できるものではなかったというのは世に知られているところだ。
作曲家としての長男はベートーヴェンなので、先にベートーヴェンを書くべきところ、モーツアルトが先になったと後書きに書いてあった。(先に拾い読みしてしまった)
当時は、日本は豊かで快楽を求める世相だったからモーツアルトが合っていたのだろう。
このあとがきが書かれたのが1991年で、すでに30年も前のものである。
「さて、読者諸君、ここらで、フンドシを締めなおそうではないか。豊かさがいつまでも続くと思ってはいけない。快楽があれば、苦悩もある。来る苦悩の時代のために、今から、心構えをしておきたい。そこで「つべこべいわずにベートーヴェン」と行きたい。」
この言葉、まるで今を予言しているようだ。
1991年以降、阪神淡路大震災があり、東日本大震災があった。
気候の変動、異常気象、そして今 最もおそるべし新型コロナウイルスの危機にある。
今年は本当に苦難に立ち向かわなくてはいけない。
そういう意味では、生誕250年だけでなく、世相もベートーヴェンなんだと思う。