彼岸には、田舎のお墓参りに行かない。帰省もしない。
そのため、1人暮らしをしている母には2か月近く会っていない。
私は東京に住んでいる、2月末から喉の痛みと咳がひどく2週間かかってやっと自力で治した。
今もなお、無症状のコロナにかかっているかもしれず、危なすぎて90歳近い母に会うことは控えている。
だが、毎日電話では話している。
年よりは情報にうとい。
田舎では感染者はいないが、周囲はそれなりに対応をしている。
ある日、母が言うには、
「店に行ったらみんながマスクをしていた、道行く人もみんなマスク、病院に薬をもらいに行ったら、そこでも全員マスクをしていて、不気味な光景だった。マスクしていなのは自分だけ。わたしゃあもう外に出るのは嫌だ」とのこと。
私、マスクするのは当たり前でしょ、という。
母は毎日ガーゼのマスクをして寝ているが、それは睡眠導入剤を飲んで熟睡すると口を開けて寝るらしく口の中が乾いてしまうからだそうだ。
使う場面が逆である。
田舎ゆえ、ドラッグストアや大きなスーパーマーケットもないので、紙製のマスクを母が買いに行くところはなし。
極小の薬局と極小の食料品スーパー(一角に衛生用品少量陳列)があるが、このご時世でマスクなど売っているはずもなし。
だが母は10年くらい前にもらった紙製のマスクを持っているそうで、その後、病院に行くときは一応持っていったよという。(高血圧の薬だけもらっている)
マスクはカバンに入れて行ったが、顔につけていないというから意味なし。
そして、そのマスクは、人のとはちょっと違うようだと母が言う。
なぜならば、頬の横の方がスカスカしていて隙間が開いているので、あんまり意味がなさそうだとのこと。
その部分を縫い縮めればよさそうだとか。
だが、まだそんなことはしていなくて、一応食料を買いに行くときだけそれをしていくそうだ。
そんなマスクでは意味がない。だったら、こちらから5枚入りの一般的紙製のマスクを送ってあげると言ったら、マスクはその古いのを使うから、送らなくていいと言っていた。
だが、やはりちゃんとしたマスクがあったほうがよかろう。
体操教室に行くときや、バスやタクシーに乗るときも密閉空間だからマスクをするように伝えるが、「えーっ、そんなところでもするの?」と、腑に落ちないような返事。
田舎だし、電車にも乗らないし、毎日行くところは近所のスーパーだけ。
ウイルスには感染しないと言い張る。
だが、母自身が出歩かないからって、電車に乗って移動してきた人と店の中ですれ違ったりするわけだ。
そこで、とにかく、マスクを封筒に入れて実家に送った。
そして、電話で送ったよと伝えた。
すると、ものすごい剣幕で「なんだね、要らないっていってるのに、なんでそんなもの送るの」と怒鳴るのである。
だから、かくかくしかじか、上記のような送った理由を伝えた。
すると「自分が持っているのと他人が持っているののどこが違うかも知らないし、あんたが送ったのと持っているのが同じか違うかもわからない」という。
だから、送ったものと持ってるものを比べてみなさいよ、と言った。
それでもなお「要らなかったのに」と主張する母。
そんなに迷惑がわなくててもいいでしょう、とこっちも切れる。
そうしたら、
「まあいいよ、邪魔になるもんでもないし、引き出しの中に仕舞っておくから」
だと。
はあっ?
なんでせっかく送ったものを使わずにしまっておくんだ????
それは使わないと意味がないでしょ。
母曰く、「自分が持っていたのを使うからあんたが送ってきたのは要らない。」
「あんたが来た時に使えばよい」だと。
だったら、まるで意味がない。
頬っぺたの横があいていてパカパカしているとかいうから送ったのに。
全く拉致があかない。
ストレス爆発するわ。
・・・
母は昭和一桁の人。
こういう人の思考回路は、物を無駄にしたくないの一点張り。
10年前にどこかからもらって使わずにおいてあったマスクをまず使いたい。
不具合があったら、それを我慢するか手直しして使う。
新しいものには手を出さない。余計なものが増えるのは迷惑。
そして、元からあった古いのを繰り返し使うに違いない。
結局私が送ったのは使わずに引き出しの肥やしになるのか。
まず見比べるなり使い比べるなりして、機能の良いほうを選んで先に使ってほしい。
・・・
精神的に疲れ果てる。。。