地続きなのに、別世界。
数キロ下へ走ると俗世間が待ち受けているとはとても思えないわけで、
実際、この景色を見ているとすべてが遠くに思えてきて、内観的になれて
落ち着く。頭を通り越して、海馬も横切って、脳幹を貫いていくわけで。
カメが講義のとき、「古伝書で得られるものって、要は秘訣なんです、
物事をどう捉えるか、どう対処していくか、その秘訣がここにある、そういう
読み方、聞き方をしてもらえればと思ってるんですが」と言われた。
秘訣は行わないものには無縁であって、知識を入れるだけならいらない、
無用の長物になるのが秘訣。
机にかじりついているだけ、話しているだけ、聞いているだけなら
秘訣は死んでしまうのである。
話を聞いたり読んだりだけではわからないことに本当の意味があると
いうことではないだろうか。