水平線、地平線。まっすぐ平らの線は、都会の真ん中と山ん中を
行き来する暮らしをしていると、心騒ぐ景色だ。
平らに一本、ずーっと伸びる線がもたらすものはそのまま平穏の
印象だけれど、若かった頃、退屈で逃れたい一本線であった。
大地と空はむかしのままで、歳を重ねるごとに変わってきたのは
張りを失いなっていく顔貌と‥‥、執着に翻弄された内面である。
歳月は、洗い流したい内面にやさしかった。
こういう時が訪れるとは、ついぞ思わぬことであった。
時薬と、何のかみさまが手配してくださったか知らねども
かたじけなさに涙こぼるる、の感であった。
地に、天に、まします神に、あらがってきたのは小さく愚かな自分で‥。
行き来する暮らしをしていると、心騒ぐ景色だ。
平らに一本、ずーっと伸びる線がもたらすものはそのまま平穏の
印象だけれど、若かった頃、退屈で逃れたい一本線であった。
大地と空はむかしのままで、歳を重ねるごとに変わってきたのは
張りを失いなっていく顔貌と‥‥、執着に翻弄された内面である。
歳月は、洗い流したい内面にやさしかった。
こういう時が訪れるとは、ついぞ思わぬことであった。
時薬と、何のかみさまが手配してくださったか知らねども
かたじけなさに涙こぼるる、の感であった。
地に、天に、まします神に、あらがってきたのは小さく愚かな自分で‥。