毎週土曜日、いろいろ違う教会でミニコンサートが開かれるがこの土曜日はタヴィラの音楽アカデミーでギターの演奏があった。アカデミーといってもたった2室の小さな建物で、観客50人も入ると満杯。
ポルトガルの有名なギタリスト・ジュズエ・ヌネス(Josue Nunes)とアカデミーの先生ルイ・マーチン(Rui Martine)の合奏。まずはかの有名なアルハンブラの思い出に始まりビバルディーやバッハのG stringそして私の好きなシューベルトのセレナーデ(夜曲)などの演奏、セレナーデには深い思い出がある。
もう50年以上も前の日本の音楽教育といえば、海外のクラッシック音楽の曲のいい部分を採って日本語の歌詞をつけて学生に歌わせたものらしい。2歳上の兄は高校時代の選択科目に音楽をとっていて、いつも習ってきた曲を家で歌っていた。その中の一曲がセレナーデ、ほかには冬の旅やホフマンの舟歌など有名な曲が多い。その頃の日本の高校生はこれらがクラッシク音楽やオペラの一部であることなど知らないで大人になった人が多いだろう。これらの曲を聴くたびに10年前に癌で亡くなった兄を思い出す。
1時間たっぷり聞かせてくれたあとは次の部屋でワインとチーズの試飲、試食があった。赤白ロゼーのどれも味見した後は一番高い8ユーロの赤ワインを一本買った。音楽アカデミーらしく壁の絵が面白い。いつもはあまりモダン絵画は好きでないがこの絵は色彩がきれいでこれなら欲しいとと思った。
久しぶりに晴天の日曜日、ジラウ河の上流へ向かって散歩に行った。途中の住宅の前庭に背の高い木になっているポインセチアが青空に映えて美しい。バミューダー・バタカップが道端を黄色に染め、澄んだ河の水に大きなボラの群れが泳いでいるのが見える。
タヴィラから上流5Kmも行くと山間部は暖かいせいか今年初めてのミモザの花が満開だった。そしてあちこち散らばる農家の周囲はオレンジ畑が広がり、規則正しく立っている電柱の上にはこれも規則正しくコウノトリが巣を作っている。
地図も持たずに歩き回ったけれどうまくキャンプサイトの方角に道路を見つけ野の花やレモンの写真を撮りつつ3時間も歩いた。
途中に小さな可愛い教会を見つけた。ドアが閉まっていて中を見ることができないが16世紀にここに住み着いた修道士の教会からこの建物は18世紀に建て替えられた歴史あるものだとのこと。
キャンプサイト近くの裕福な農家のポーチにかぼちゃがずらっと並んで干してあった。