ノールカップを100Km南下すると、内陸に入ってゆくためか急に暖かくなり、この夜泊まったキャンプサイトは湖が近くて、蚊に悩まされました。
キャンプサイトのキッチンで会ったフランス人の中年女性は、自転車でヘルシンキから来たといい、日焼けした皮膚がしわしわで、体に贅肉も皮下脂肪もないくらいやせていて、この体でノールカップへのトンネルを通ってゆけるだろうかと、気の毒でもあり危ぶまれました。
朝9時過ぎ、うす曇の干潟のフィヨルドは灰色の大きな湖のように見えます。ラクスエル(Lakselv)の町で給油して、フィンランドへ向けて出発しました。初めての松林、雑木林に平坦な道、なだらかな丘など写真を撮ろうと思う気持ちになれません。
国境の町カラスヨキ(Karasjok)のスーパーで初めて生の鮭やマスを見つけ、マスの大きいのを一匹買いました。そしてこの清潔なスーパーの中にも蚊が飛んでいるので、ゾーとしました。
ノルウエーはEUに加盟していないので通貨もノルウエークロナーですが、フィンランドはEUに入っていて通貨もユーロです。今ではどこの国へ行っても銀行で両替することはなく、街角のキャッシュマシンでその国のお金をおろすことができます。
国境には一応税関の施設はありますが、人は何処にも見えず、止まる車もなく通り過ぎました。
後は真っ直ぐな道と白樺林と水溜りばかり、風景が平凡・平坦でがっかりです。出会うのはキャンパーばかり、時々ローカルの自家用車を見かけますが、本当に交通量が少なく、さびしいほどです。
途中の道でサーメ人のテントやまるで防空壕のような家などを見つけました
松の木のコケをかじる赤リス。
雨に濡れたワタスゲ。
国境から100Kmほど行ったところでフィンランド初のキャンプ場は、長さ80Kmに及ぶ巨大なイナリ湖の畔の町イナリでした。写真はイナリ湖の観光用小型飛行機です。
ここイナリにはラップランドやサーメ人の文化を知ることの出来る複合文化施設シーダ(Siida)が有り、サーメ人の生活様式をビデオで紹介したり、犬ぞりなどいろいろ展示しています。素晴らしい宝飾品があり、写真禁止と知らないで撮ってしまいました。
シーダの裏庭には17エーカーにわたってサーメ人の移動家屋や漁師の生活様式を見せるオープンエアー博物館がありますが、この日の午後は激しい雨になり、仕方なく雨にぬれて帰ってきました。
翌朝キャンプサイトの片隅に例の三輪バイクと小さなキャラバンを発見し、旧知にめぐり合ったように嬉しくなりました。ドイツ人の中年夫婦もここまで道中が同じだったことに驚きそして喜び、彼らは片言の英語でおしゃべりしました。
彼らはここからスエーデンへ向かい、ストックホルムで1週間をクルーズに行くと云っていました。
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