スコットランド・アーガイル州(Argyll)の海岸線をたどっている間に見つけた、2つのナショナル・トラストの庭を御紹介しましょう。
オージュエイン・ガーデン(Auduaine Garden)は大小の島々に囲まれたロック・メルフォートの岬にあり気候温暖で小さな岬全部が自然の庭園になっています。割と奥まったところにあるせいで余り見物人が少ないのか、この庭をトラストとして存続させるためのキャンペーンをしていました。よく手入れされたきれいな庭で(写真1,2 )樹木と草花など多いのですが、此れといった特色が見られず何時まで持つかなーと思いました。
そこと山を隔てた反対のロック・ファイン(Lock Fyne)の畔に在るクララエ・ガーデン(Crarae Garden)はもう一度いってみたいところです。スコットランドのキャンベル卿とその夫人が一生かけて世界中から集めた300種以上にものぼる石楠花の木やタスマニアからもってきたユーカリの木(写真4 )、めづらしい樹木等大変興味深く又広大な山の斜面を利用し谷川にはかわうそも生息しているとのこと。山の小道のいたるところに植物の説明書きがあり、此れがおもしろいのです。
写真5 は世界一大きな石楠花で花房がフットボールサイズと書かれていますから5-6月ころにもう一度来たい、この目で見たいと思いました。
写真6 の説明書きには日本・屋久島からの石楠花で葉裏がスエードのような手触りで保水性が在るとのこと、写真8 はロック・ファインの見渡せる山頂の黄色いつつじの群生です。説明書きによりますとこのつつじの蜜は毒で、紀元前401年バビロンから帰る途中のギリシャ軍の空き腹を抱えた兵士たちが見つけた蜂蜜が、このつつじの花から集められたものだそうで、全員がひどい中毒症状を起こしたとのことでした。
英語で石楠花はロードデンドラン(Rhododendoran)といいますが此れはギリシャ語でバラの木と言う意味だそうです。石楠花は小さいものは5cmから大きなものは25メーターにもなり、水平線100メーターから5500メータの高山まで生育します。チベットの高山やパプア・ニューギニーにも成育し葉の大きさも1cmから80cmとバラエティに富んでこの庭で石楠花の木に関して大いに知識を深めてきました。
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