先日、猛暑に突入して以来高齢家族が“慢性熱中症”状態で微熱が続いているので、警戒してはいたんですが月河も今朝はいきなり37℃前半。
5日5晩の“準”熱帯夜で、どうやら体温中枢が引きずられて高め設定になってしまったようです。
今日は中央競馬の東西トレセンで馬インフルエンザ検出のニュースもありました。71年暮れ~72年初頭に関東美浦トレセンを中心に猛威をふるい有馬記念の開催さえ危ぶまれた馬インフル、空気の乾燥する冬ならともかく夏のド真ん中に?と思いがちですが、人間と同じ、お馬さんも暑さ負けで免疫力が低下するんですね。
そもそも全身を長毛におおわれたお馬さんですから、冬場には冬毛を生やして防寒体勢にすることができます(イントレーニングで出走体勢に整えられた馬は、代謝が活発なので生えません)が、夏は、脱ぐものがない(憐)。
特に黒鹿毛、青毛など真っ黒な馬は熱を吸収して夏負けしやすいとも言われ、“夏は芦毛と牝馬”なんて俗説もあるほど。
開催中止という最悪の事態はまぬがれたようですが、年々歳々猛暑化、亜熱帯化する日本の夏、お馬さんにも夏休みをあげたくなります。
そうなればコッチも馬券資金に夏休みをあげることができる。
…いや、お馬さんの動向にかかわらず、自分が自主的に休めばいいんだけど。
『金色の翼』第34話。
昨日放送の33話から、ちょっと意外な、粋な構成に入っています。
修子が隠れ住み槙が訪ねて居ついてしまった東京下町の古家のほうが“離れ島のパラダイス”、理生と支配人夫婦が槙の帰還を待つ中、静江による乗っ取り・廃業解体の準備とセツのリベンジ画策が火花を散らす“海と空のホテル”のほうがあたかも“欲にまみれた俗世間”であるかのような対照をなしている。
“聖と俗”“善と悪”“正と邪”“真と偽”の対立と逆転、ネガ←→ポジの融通無碍な反転も、金谷祐子脚本のこのシリーズの大きな魅力のひとつです。
狭い鳥籠に閉じ込められた日々の扉を開け放って、自由に広い世界を飛ぶことを何より夢みていたはず、そのために時には嘘を重ね他人を欺き傷つけることも辞さずにここまで来たはずの修子と槙が、まったく逆座標の“小さくちんまり引きこもる生活”に幸せを見出している。
さすがに槙は「このまま毎日遊んでいるわけにはいかない」「オレにはオレの生き方がある」と職探しに出かけましたが、修子は「待って、どうしても仕事がしたいなら、私がなんとか…」と引きとめようとする。
まるで、自分があれほど嫌い脱出せんがために夫を事故に見せかけて殺しまでした“鳥篭生活”に槙を押し込もうとしているようにも見えますが、修子はなぜか“この夏が終わるまで”との期間限定をみずから課しています。
愛と言う名の檻で束縛し、束縛され合うことの罪深き甘美さを、あるいは修子は初めて知ったのかもしれません。
槙にはもうひとつ、理生という檻が待ち受けています。理生にとっては、槙に檻を課すことが、自身の自由と一体になっている。
人間が望みあこがれる自由は、常に檻とともにあるのかもしれない。
3人3様、求める翼の在り処、翼を得たときに目指す地平は、まだ見えて来ません。