先日、寒空の中を買い出しに行ったドラッグストア店内の有線放送でアンジェラ・アキさんの『愛の季節』が。
♪忘れないで 季節が変わっても~のフレーズが耳に飛び込むと、紅葉のトロッコ線を歩く多部未華子さんのスチールが浮かんできて、何が何でも『つばさ』のサウンドトラックが欲しくなってしまいました。
最近PCから転送式のデジタルオーディオを奮発したので、CDならキズモノでさえなければ中古盤でもいいんだよなぁ…と節約志向してみましたが、さすがに9月いっぱいまで放送していたドラマだし、いつもの古書店やレンタル落ち店には出回っていないだろうと考え直しました。本やCDの新作新刊はなるべく地元に古くからあって地元で頑張っている本屋さん、レコード屋さん楽器屋さんに足を伸ばして、売り上げ貢献してあげようと思ってはいるものの、ここ数日シャレにならないくらい当地、寒いんですよ。昨日なんかガチ視界が危うくなるくらいの横なぐりの雪が降ったし、とても最寄り駅から反対方向に寄り道して、エンタメ用品物色しようなんて気にはなれたもんじゃありません。
こんなときやはりPCで1クリック、玄関先まで宅配便で届くネット通販は便利です。どうせ定価で買うなら、小耳にはさんだことのあるNHKオンラインショップというのを利用してみようかなと思い、NHKの公式サイトから“e‐カタログ”というところへ行ってみましたが、“つばさ”で検索したらDVD‐BOXとテレフォンカードしか出てきませんでした。どうもこのサイトで取り扱っているのは、NHKエンタープライズやNHK出版といったNHK関連カンパニーが権利を持っているタイトル、アイテムだけのようです。
結局ポイントの付くネット通販サイトで購入。めでたく本日到着。版元はホリエモンでおなじみ(もう、そうでもないか)ポニーキャニオンでした。小さくフジテレビのあの目玉マーク。NHKドラマのサントラなのに不思議な気もしますが、そこが大人の事情というやつでしょうね。
NHKサントラは初体験ですが、作曲者、ドラマプロデューサーのセルフライナーノーツが丁寧なのは好感がもてました。昼帯ドラマのサントラでは、おもにドラマプロデューサーさんが、作曲家さんにリスペクトを献じるついでにドラマの眼目「こんなアイディア、コンセプトでこんなドラマを目指しました」をちょろっと解説してくれていたりもしますが、作曲家さん自身の言葉が収録されているタイトルは少ないものです。
住友紀人さん。最近は話題の映画『沈まぬ太陽』の音楽担当ということでもお名前を聞きました。1964年=昭和39年生まれ。うん、納得。『つばさ』の昭和テイストは、この年代、“昭和40年代=1970年代前半に小学生としてTVを見ていた”人でないと打ち放てないでしょう。
住友さん、セルフライナーノーツで、「CDの収録分数にはなぜ限りがあるのでしょう?」と、『つばさ』のために作った音楽のうち3分の1ほどの曲数しか収録できなかったことを惜しんでおられます。月河がドラマサントラの世界にはまるきっかけになった岩本正樹さんも、ご自身のブログで、「サントラCDにどの曲を入れるか、取捨が悩ましい」という意味のことを書いておられました。長丁場多話数の帯ドラマともなれば、悲しい場面、幸せな場面、緊迫した場面とシーンに合わせ、ヒーローヒロイン以外の大勢の登場人物にも合わせて、膨大な曲数、アレンジ数を作らなければなりませんからね。作り手としては、せっかくCDアルバムになるなら、できることならまるごとぜんぶ収めてカタチにしたいですよね。
言ってる矢先にテレビ朝日『雑学王』の正解VTRで、バックにM‐09『加乃子の企み』が。タイトルはちょっと昼ドラチックですが、加乃子さん(高畑淳子さん)の“らくらくお掃除千手くん”姿が浮かんでくるような、手風琴?かバンドネオンのようなアコースティックな音が魅力的な楽しい曲です。
ちなみに使われたVTRは“納豆にカラシがついている理由は?”を、全国納豆製造業協会とかなんとかいう団体の偉い人が解説しているもの。関係があるんだかないんだか。確かに甘玉堂一家、よく朝ご飯シーンはありましたが。
現代のように冷蔵したまま輸送・流通させる技術が無かった時代は、特に夏場は納豆菌の発酵が進み過ぎてアンモニア臭が強くなるので、臭み消しのためにカラシを添えたのだそうです。曲につられて思わず雑学吸収。まぁネギとか茗荷とか、納豆に合う薬味はだいたいそれ系ですね。
アルバムレヴューは後日。