灯台下暗しとはよく言ったもので、大手チェーンで影も形も見当たらなかった冬限定SUNTORY琥珀の贅沢、行きつけの歯医者さんの隣の、もと個人商店だった食品スーパーにひっそり並んでいるのを昨日発見。歯医者さんに通っている間しかレギュラーの食材買いには行かないところで、まさに盲点でした。大きな店なら何でも揃っているというわけではありませんね。個人商店を侮るべからず。
とっとっところが、非高齢家族とまずは1缶ずつテイスティングしてみようではないか、と打ち合わせしていたのに、6缶カートンしか売っていない(嘆)。もし失敗作と結論が出たら、残り4缶を如何せむ。
お店に「バラ売りしてもらえませんか?」と訊けばいいんだけど、頻繁に買い物してるお店ではないので我がまま言いにくいですよね。6缶648円、1缶当たり108円か。108円を4缶もて余したとしても432円。まぁ、どうしようもなかったら胡瓜でも漬けて食べりゃいいやと思い、重たいのにカートン持ち帰り。
…心配めさるな。失敗作ではありませんでした。胡瓜のビール風味漬けはお預け。
まずはグラスに注いだときの濃いめのお色が美しい。同じSUNTORYの発泡酒、いまはなき秋限定、旨味たっぷり秋生を思い出させます。
飲みクチのトップは新ジャンルらしく甘めかな?と思いますが、後味には結構しっかり苦みもあるし、焙煎麦芽由来の香気も潤沢で、“新ジャンルのプレミアム”というキャッチを裏切らない、SUNTORYの新ジャンルにしてはかなり“攻めてる”味。宴が進んでちょっとぬるめになったときも味が崩れないのも好感持てます。発泡酒/新ジャンルを問わず、“キンキンに冷やしてガーッと行くその瞬間、舌からノドへの数秒の勝負”みたいな、“逃げの姿勢”が、特に夏季には目立ちますからね。
先日惜しまれつつ(か?)販売終了となったSUNTORY発泡酒・豊かもそうですが、月河が泡モノ試飲して同社の製品に好感を持ち贔屓にすることがなぜか多くなるのは、もともとビール類業界においては後発後追いである同社の、「先発ビール専業大手がやってないものを」という“攻めたい”姿勢と、しかし如何せん後発ゆえに原料調達力も、技術も、営業力も劣るがゆえの“詰めの甘さ”との拮抗具合がツボなのかなと最近思うんです。
豊かを例にとると、玄米由来の味は夏向きでとても良かったのに、糖質50%オフという健康機能性が、なんとも訴求しきれず、缶パケデザインともども中途半端。
今作琥珀の贅沢も、風味や香味においてはじゅうぶんプレミアムチックなのに、残念ながらTVCMをまったく見かけませんでしたね。
ちなみに、ビールも第二第三のビールもさっぱり系を好む非高齢家族は、琥珀の贅沢「ビール飲んでるなあという感じで、バッタモン感がないのはいいけど、ちょっと苦みが濃い気がする」との感想。
高齢組はと言えば、我ら非高齢組がテイスティングに余念ないのをトイレタイムの通りすがりに見て「こんな時間に缶コーヒーなんか飲んだら眠れなくなるのではないか」と要らぬ心配。確かに330mlサイズだし、デザイン的にも、お酒の缶っぽく見えないかもしれない。
『不毛地帯』は19日放送で第6話。昭和20年8月の終戦の詔勅を、年齢幾つでどこで聞いたか?の秋津清輝(佐々木蔵之介さん)の問いに、「32歳で大本営」と答えた壹岐(唐沢寿明さん)は、近畿商事入社8年後=昭和42年には54歳になっていたはずです。大阪発の糸ヘン商社とは言え業界屈指の大手という設定の同社で、54歳の常務取締役業務本部長はそりゃキラキラしていたと思いますが、女優やアイドルも羨むという小顔の唐沢さん、モミアゲの先白髪に染めてもちょっと若々しすぎるかな。『白い巨塔』の財前と違って、“少壮ながら天才”感があまり要らないキャラだけに。
物語はまだまだ“昭和深く”に進むはず、戦争の影を引きずりつつ繁栄の日本を行く時代感を、今後どこまで出せるでしょうか。