NHK『紅白歌合戦』の出場歌手、発表になりましたね。もう思い出せないくらい何年も前から、紅白は観ても“つまみ食い”視聴だったのですが、今年は「井上陽水がついに出るらしい」との情報が先週一部(て言うか一社)スポーツ紙から流れ、ちょっと緊張して発表を見守っていました。
…結果、陽水のヨの字もありゃしない。8月頃からNHK総合、教育ともに音楽系、文化系の番組でのピンの特集が目立ったため、長年紅白出場をオファーし続けてきたNHK側に、今年は陽水さん本人がぐっと前向きになってくれている“ようだ”…との感触をとらえて、スポーツ新聞約一社が“飛ばしちゃった”というところかも。
月河は陽水さんの“紙媒体にちょろっと出る以外はいっさい露出無し”時代が長かったので、紅白出演実現したらすごいし絶対観ようと思っていたので、拍子抜けは拍子抜けなんですが、反面軽く安堵もしています。
何を歌うにしても、“今年巷(ちまた)を賑わせた曲”という感じにはならないだろうし、過去の名曲の数々となると、数々あり過ぎて選び切れない上、何を選んでも陽水さんの曲は濃くて、磁場も強すぎる。
アイドルや演歌歌手や芸人が累々と並ぶ(死体かよ)NHKホールのステージで、ライブでもおなじみのバンドメンバー引き連れて歌う陽水さんは想像しにくく、結局は昔長渕剛さんや中島みゆきさんが披露したように、別ロケーションからの中継にせざるを得ないのではないでしょうか。だったら3時間以上もの長大番組の中の数分間ちょこんともらうより、15分でもいいから別番組作って、陽水さんの歌“だけ”を聴けるようにしてくれたほうが有難みがあります。
物事には何でも最良のタイミングというものがあって、それを逃してはるかに時間が経過してしまってから、思い出したように無理やり敢行するくらいなら、やらないほうがましということもある。陽水さんがNHK紅白に出るとしたら、朝ドラ『かりん』のテーマ曲『カナディアン・アコーディオン』を歌っていた年がいちばんの好機だったと思いますが、陽水さんのTVドラマタイアップ曲は当時かなり稀少性があったにもかかわらず、当時は意外と「ぜひ出て」「出るのではないか」の上げ潮にまではならなかった。『かりん』が93年下期、10月スタートのドラマであり、かつヒロイン役の細川直美さんが審査員に選ばれていたことも、逆に足を引っ張ったかもしれません。
ちなみにこの年には、J‐WALK、TUBE、THE BOOM、今回2回目の出場が決まった福山雅治さん、紅組では長山洋子さん、天童よしみさんなどが初出場を果たしています。
嵐はじめジャニーズ所属組4組揃っての出場が最大の話題になりそうな今回は陽水さん“NHKには何本か出て付き合いもできたし、前向きにはなったけど、そこ止まり”にしてくれてかえって良かった。歌は世につれ世は歌につれとよく言いますが、世にも何にも“つれない”ことも魅力のひとつであるような、そういう音楽も楽曲も、アーティストも存在する。
月河宅では高齢家族が早くも“歌の力”応援隊のこども店長加藤清史郎くんの出番が「何時何分から何分までなのか調べて、きっちりその間だけ録画しておくように」との指令を下しているし、非高齢家族は「(忌野)清志郎追悼コーナーなんかまさか設けないだろうな、そんなムナクソ悪いお為ごかしあったら速攻格闘技にチャンネル変える」「(矢沢)永(吉)ちゃんはよくぞ断ってくれた」と独走で鼻息荒げています。月河はもし在宅できたら、レンタルDVDか『夏の秘密』録画でも夜さりゆっくり観ようかと思っていますが。
…あ、SMAPが『任侠ヘルパー』のテーマ曲『そっと きゅっと』を歌うなら、そこだけは見たいですね。草彅メンバーはまだ節酒モードかな。もういいじゃん、ガー飲っちゃっても。ねえ。