イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

プライスレス

2010-02-22 22:19:24 | 特撮・ヒーロー

のってきましたね『天装戦隊ゴセイジャー』21日のepic 25機のゴセイマシン召還の場面は、全国の小さなお友達と一緒になって月河も「おもちゃ欲しい欲しい!」モードになってしまいましたよ。レッドのドラゴンがジェット旅客機、ピンクのフェニックスが戦闘機、ブラックのスネークが新幹線、イエローのタイガーがブルドーザー、ブルーのシャークが潜水艦と、男の子の好きなのりもの、ほぼ全機種網羅。『炎神戦隊ゴーオンジャー』の陸+空に、『轟轟戦隊ボウケンジャー』の海担当も加わって四方敵なしです。

ゴセイジャーたち自身は護星界から降臨した天使だけれど、宇宙虐滅軍団ウォースターの侵略を撃退すべく地球上にとどまる彼らの事情にかんがみ?マシンは地球人用乗り物の外形、特性をスキャンしてから届くわけです。

「神は、みずからの姿に似せて人間をつくられた」との聖書の故事を思い出す。

搭乗機ができたので、若き天使たちも元気いっぱいです。レッド「そのままつっこんで来い!」ピンク「何する気?」レッド「いいからいいから!」…(撃破)…ピンク「んーアラタってばぁ」と、スカイック族チームはほとんどラブコメ。

孤軍奮闘のシーイック族ハイドは「海でオレに勝てると思うのか?…(撃破)撃墜完了」とクールドライに啖呵切った後、いきなり横から不意打ち食らって「ぐわぁー!……(立て直し)いまだ!」と早くも戦闘能力高いのか低いのかわからんツンデレ開花だし、我が道を行くランディック族兄妹はアグリ「いくぞモネ!」モネ「オッケー!くっくっ、やぁーー!(ぶん投げ)」アグリ「いいぞモネ!」とスポ根調。

キャラと武器がこれだけ揃ってきたのだから、脚本にもうひとつパワーが欲しいですね。epic 2は天の塔が破壊されて途絶していたマスターヘッドとの連絡が一瞬回復、200年に一度の護星界に戻れるチャンスを取るか、目の前で怪人に囚われている人間を助けるか、ハイド(小野健斗さん)が選択を迫られるという非常に重要な局面だったのですが、そもそも彼ら、熱烈必死に護星界に帰還したいのか?母国である護星界に戻らずアウェイの地球で、地球人類のために戦い続けることがどれだけしんどくリスキーなことなのか?の描写が、epic 1からの流れでもあまりなかったので、物語的な切迫感が薄いまますんなりあっさり地上滞在に決まってしまいました。

すでに人間の少年と友達になったアラタ(千葉雄大さん)はとっくに地球にいることにそこそこ馴染んで肯定しており、エリ(さとう里香さん)は根が楽天家な上、同種族アラタの世話女房のようでもあり、アグリ(浜尾京介さん)モネ(にわみきほさん)のランディック族兄妹はもとより“そこに敵がいたらそこで闘う”のみ。ハイドひとりが「どうしたら戻れる、どうしよう」と危機感持っていただけのようにも見える。

よって前回のレッド回のあとのブルー回にもかかわらず、ハイドがいちばんカッコよく見えるような見せ場になりませんでした

今回流星のデレプタに派遣されてきたUFOのザルワックも、初の巨大化戦の相手にしては迫力不足。等身大戦でゴセイジャーに敗れたあと、彗星のブレドランが放つビービ虫(←鬼太郎の目玉親父にコウモリ翼ついたようなの)に吸いつかれて、パワー注入されると巨大化するらしいのですが、「…い、いったいこれは?」って巨大化の手はず知らなかったみたいなのなコイツ。武闘派デレプタに対し策謀担当のブレドランに人体実験もしくはあからさまに傀儡にされてる感じで、かえって微量かわいそうだったりする。巨大化するときの声も悲鳴みたいだし。「ビックリウムエナジー注入!サンギョーカクメイ!」とか「二の目が出るぞ、出るぞ、出た!」のような勢いがない。もうちょっとはじけて巨大化しようよ。ここらへんは何々星人の個性次第なのかな。

合体ゴセイグレートを含めた武器群が花々しいのにもうひとつ戦隊として凄みがないのは、基本的に“舞台”らしいものがまだないせいもあるかも。ベースキャンプになるような建物なり母艦的なロケーションがなく、5人とも野山や町中をふらふらしながら偵察したり戦ったりしているので、弱そうというわけではないけれど、どうも腹ごたえがないんですね。天使ですから存在感自体何となくふわふわしているということなのかな。ベースキャンプはなくても、たとえば『デカレンジャー』1話のバスジャックとか、『ゴーオンジャー』2話のレースサーキット強襲のようなインパクトのあるロケーションがあると、うまいこと掴めるんですけどね。要はツカみが弱い

悪の組織に襲われ逃げまどったり捕獲されたりした人々が、ゴセイジャーに助けられるときれいさっぱり記憶ウォッシュされてしまい、恐怖の体験を忘れて元の生活に戻れ、護星天使の存在も知らぬままという設定も、いまのところプラス効果に効いていません。ヒーローが一般人にどう受け容れられ、リスペクトされるかという描写は、ヒーローの魅力を際立たせる大事な要素だと思うのです。

今作は、“普通に生活している(と思っている)日々の中で、実はキミもアナタも記憶認識ないままゴセイジャーに助けられているかも”“道ですれ違ったあの若者、ご近所で見かけるあの少女が、実は天使かも”というところが、フィクションとしてのひとつのツボだと思うのですが、ちょっと難しいかなあ、活かすのが。

「今日さ、なんか気がついたら、崖の上にいたんだよ」「危ないじゃないの」「でも周りにもなんでか大勢の人がいてさ、一緒に来たわけじゃないと思うんだけど」「何しにそんなところに行ったのよ」「それが全然わからないんだけど、空も海もバカにきれいだったんだ、みんな空と海を見に行ったんじゃないかなあ」「わざわざ?」「だって見てとても気持ちがよかったんだよね」といった、帰宅した一般人の会話でもあればよかったかな。尺が足りないかな。

ま、いまのところ人間界でゴセイジャーと接触したのは、望くん(中村咲哉さん)と、アラタと出会いがしら挨拶だけは交わしたお父さん(髭男爵・山田ルイ53世)の2人だけですからね。次回から、天知家の天文研究所にとりあえずアラタとエリのスカイックコンビは住み込むらしいので、ベースキャンプらしいものは徐々に出来てくるか。

天知所長「望のお友達ですか~息子がお世話になっております、ところでお仕事は?」に、「…あ、地球とすべての命を…」と天然に護星天使の使命を語り出すアラタは、新しいタイプのレッドの面目躍如でとてもチャーミングでした。今後もこういうシーンを変身戦闘の間にしっかり配置して、お話としての密度を作っていってほしいですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする