昨年夏、末端の左党の間でも話題となったKIRINとSUNTORYの経営統合・メガ飲料企業誕生は、は、報道によると「バンザイ、無しよ」に終わったようです。いくつかの媒体を総合すると、結局SUNTORYが株式非公開会社であり(←いまだにそうだったんですね。ちょっとびっくり)、現・筆頭株主である創業者一族の経営参画を統合後もある程度担保したい意向だったことが、最終的にはKIRINの姿勢と歩み寄り切れなかったということらしい。
とりあえずAsahi、SAPPOROのライバル各社は喜んでいるでしょうね。て言うか思いっきり自社製品で祝杯をあげているかも。
『相棒』で実話誌“キリン芸能”を愛読する「ヒマか?」の角田課長も地味に胸をなでおろしているかも(?)。
月河たち末端“泡モノ”党も一報を聞いた頃は、「プレミアムモルツは鉄板で残りそうだけど、金麦は微妙」「淡麗生は大丈夫だけど、コクの時間とホップの真実はどっちか消えそう」等と、思い思いの贔屓ラベルをぐびぐび空けつつ予想に励んでいたものです。
「統合後の社名は“キリサン”になるのかな」「麒麟でSUNで“鳥井”(←前身が“鳥井酒店”)で、Asahiを突き放そうってんだから、夕陽をバックに神社の鳥居に麒麟がまたがった商標になるかも」なんて言い出して、PCでその架空商標作ってた大バカ野郎もいたっけ。なんで“またがる”んだ。バチが当たるっての。おかげで豊か、白麒麟、琥珀の贅沢が見事に製造休止。後2者はもともと期間限定だから関係ないか。
SUNTORYと言えば、70~80年代東京に住んでいた頃、立ち回りテリトリーにあった赤坂のサントリー美術館を思い出します。いまのような“石好き”、パワーストーン愛好者になる前の月河、萌芽としてか硝子工芸、磁器工芸は結構好きで、そっち系の企画展があると積極的に足を運んでいました。当時から“鉱物質”の人間だったのかな。
何というか、小さくて壊れやすい、人間が手で細工をほどこしたモノに、腰をかがめて目を細めて見入る、その時間が好きだったのです。あんなに都心中の都心で、近代的な同社本社ビルの、それもさほど広壮なスペースではない一郭に、ほっと安らぎとともに視線を遊ばせることのできる空間がある。2007年に六本木ミッドタウンに移転新装オープンしてからは訪れる機会がないのですが、今般の統合打ち切りに影響されず、都心の貴重な文化スペースとして存続してほしいと思います。