戦隊シリーズって一種のコスプレドラマみたいなところがあるので、変身前のファッションにどうしても目が行ってしまいます。『天装戦隊ゴセイジャー』は地球人ではなく天使という設定なので、“私服”の概念はなさそう。“地球人社会にまじっても浮かない服装を、護星界視点で考えたらこうなりました”みたいな、平時ユニホがあるのは嬉しいですね。
スカイック族のレッド=アラタ(千葉雄大さん)とピンク=エリ(さとう里香さん)は、嵐と息吹のスカイックパワーだけに、風や雨を意識してかフードつきのジップパーカスタイル。レッドはあくまで赤をメインにしつつ、袖肩部分に白、前身頃には黒をアクセントにもってきてシャープなデザインです。フロントの牙を剥いたドラゴンの横顔が強いヒーローらしくて、千葉さんアラタのスウィートでピュアなたたずまいとミスマッチなのもおもしろい。小さなお子さんが全国で「買って買って」ソードでパパママウォースターを攻めてそうです。
一方ピンクは女の子らしくピンクとペールピンクの切り替えを胸に持ってきて、全般にサテンタッチの光沢で可愛いめギャル風味を取り入れました。公式ユニホではないようだけど、ポニーテイルにつけたシュシュも、女子ファンの視線を集めるアイテムではないかな。ポニーテイルは男の子にも永遠の定番人気ヘアスタイルだし、お茶目さんキャラのエリですから、スタイリストさんの頑張りで今後もいろいろバリエ披露しそうです。
ところで、epic 2のゴセイマシン召還でも思ったのですが、ピンクで“フェニックス”って若干イメージが噛み合わないですね。スカイック族はドラゴンとともに想像上の動物ということで統一したかったのでしょうが、ピンクで鳥ならフラミンゴでしょうに。
ランディック族のブラック=アグリ(浜尾京介さん)&イエロー=モネ(にわみきほさん)兄妹は、スタンドカラーのオーソドックスなスポーティタウンジャケですが、アグリはやや身丈が長め、インナーにフードつきTとダボめなワークパンツを合わせてストリートワイルド風の着こなし。背中のたて書きロゴがカッコよく、こちらはちょっと年長のお兄ちゃんたちに一番人気かな。天使にしては人間っぽ過ぎ、世俗的過ぎるきらいはあるものの、2話見た限りではランディック族自体が、天使の中での“現業担当”的な位置づけらしいので、ちょうどいいのでしょう。
モネはにわさんの微量南国的な風貌とも相俟って“部活でスポーツやってる女の子”風ですが、ちょっと切り替え部分のベージュと、メインカラーのイエローとのコントラストが弱くて、若々しさが足りない。スポーツ“やってる”というより女子マネか、いっそガスステーションの事務スタッフみたいになっちゃってますね。ブルドーザ型マシン担当の女性イエローというと『轟轟戦隊ボウケンジャー』のボウケンイエローを思い出しますが、菜月のボウケンジャケットはほかのメンバーとお揃いの、迷彩色のアクセントがありました。モネのジャケもお兄ちゃんの色のブラックを、インナー以外にも取り入れて一部虎縞柄にするとか、天使パワーに結びつくもうひと味付けあってもいいかな。
ブルー=ハイド(小野健斗さん)はシーイック族らしく深いマリンブルーの無地で、詰め襟のミリタリージャケ。背中の白抜きロゴとエンブレムの入り方はカレッジスポクラ風で、レッドより硬派、ブラックより優等生なイメージ。彼がいちばん正統派の“戦士”らしいファッションかもしれませんね。シーイックには女性戦士がいませんが、スリムな女子がこれテイストの詰め襟ジャケを着ても、逆にかわいいと思う。海に波濤あり、“ゴセイホワイト”として追加メンバー来ないかな。
……変身後のスーツデザインが難しいか。
録画を巻き戻しながらこんなチェックを入れていたら、最新号(vol.32)東映ヒーローMAXの巻末グッズページにお値段が出てました。各色限定500枚生産で19,000円。うーーん、デカレンジャージャケットが確か26,250円、ボウケンジャージャケットが25,000円、ゴーオンジャージャケットに至っては45,000円だったはずなので、今年は不況の家計を考慮してお値頃にまとまっていると言えるのかな。