李香蘭だった山口淑子さんが亡くなっていた。94歳だったそうだ。
彫刻家のイサム・ノグチと結婚し、愛の巣を北大路魯山人の屋敷内にある小さな藁葺屋根の家に構えたことがあった。
母から用事を言いつかり、母の里に行く時に通らなければならない、長く暗い切通しに続く竹塀の上に、古色蒼然の藁屋根が見えた。
お化けじゃあるまいし、リコーランが出てきたらどうしようと考えていたが、一度も声を聞いたり姿を見たことはなかった。
李香蘭・山口淑子で思い出すことは、あの切通しと小さな家。そして名曲・蘇州夜曲と夜来香です。
その後、切り通しも魯山人邸もきれいさっぱりなくなり、市立小学校になった。
そして魯山人が、信州の庫裏を移築したという、巨大な藁葺屋根が乗った母屋だけが、いま、笠間の日動美術館に再移築されている。
何事にも行動的な姉が、一時、父親がこの母屋を所有していた同級生に誘われて、笠間へ感傷旅行に行ってきた。
姉は「あの家あの頃のままで懐かしかった、行くといいよ」と言うけれど、森生にはとてもとても。
提灯風ランプシェードは、イサム・ノグチのAKARIシリーズから。
構造不況にあえいでいた岐阜の提灯業界はこのシリーズで息を吹き返したそうです。
今朝、作詞家山口洋子さんの訃報。森生と同い年。死神が近付く足音。
五木ひろしの「横浜たそがれ」。別の歌手が、こねくり回さず、さり気なく歌ってもらいたい。
横浜はああいう街ではない。
140916
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます