カタカナ英語が氾濫している。
映画の題名を原語そのままカタカナ表記することに反対だ。
日曜日の朝日新聞の「映画視聴計画」(3/4)というTVで放送映画の紹介記事を、なんとなく見ていて、呆れてしまった。
TVで放送される映画の紹介記事なのだが、全14本中日本製は「ドラえもん」だけ。
あとの13本は「洋画」で、内11本はカタカナの題名である。
*ボーン イエスタダイ (「・」が無いのは何故だろうか?)
*グッド・ウィル・ハンティング
*アメリカン・ビューティ
*クラッシュ
*プレス・ザ・チャイルド
*ゴッドファーザーPARTⅡ
*オーメン
*ソードフィッシュ
*ディープ・インパクト
*エネミー・ライン
*タイフーン
これでは映画について、何の興味も湧かない。単なる記号である。こういう題名なら、番号で呼べばいい。どうしても、原語にこだわるならアルファベットで表記して欲しい。
少しでも多くの日本人に観て貰いたいなら、意訳した適切な題名をつけるべきである。
自分たちが知っていることは、お客も分かっている筈だとするのは、不遜・傲慢・安易・怠惰な態度だ。
題名だけでも映画を観たくなるように、もっと工夫をして下さい。
この欄で「ミセス・ダウト」の紹介があった。
「変身してでも会いたい」という見出しがあって、詳しい説明文があり、写真も載っていた。読んでみたら、面白そうだった。
それで大いに興味が湧いて、観てみたら上々出来の映画だった。「ミセス・ダウト」だけだったら、見向きもしなかった。
森男ならこの映画の日本語題名は「パパは家政婦」にする。映画配給会社は、適切な見出しと親切な説明を記事にした朝日新聞に、お礼をしなければならない。
ところで、洋画の字幕翻訳業20年の太田直子さんが、「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」という本を出した(光文社新書735円)。
その本で面白いことを書いている。
・批判されることが多く、褒められることはまずない。
・字幕を読む速度には限度があり、1秒4文字原則がある。
だから、吹き替え版と字幕とは異なる。
・最近の日本語は丁寧化が進み過ぎている。
だから、字幕翻訳屋は、字幕が長たらしくなって困る。
・語りや台詞が増えて、映像や沈黙から心情を読み取る余地が無くなった。
・分かり易さばかりを要求される。
でも、自分で調べたり考えたりする過程があった方がいい。
▼蛇足
丁寧化が進む例として、「・・・させていただく」、「◎◎会社さん」、「お仕事」「お取り寄せ」などを挙げている。
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