林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

鳥獣戯画へいってきた!

2007-11-08 | 色めがね

 

 動物を擬人化した甲巻は知っていた。観たこともあったかもしれない。
これ、よく観ると相当な毒がありますね。
乙、丙、丁巻は初めて観た。

乙巻は擬人化していない動物尽くしであり、線描が実に巧みである。
鉛筆で写生をして、絵の具を厚塗りしている現代の売れっ子日本画家には出来ないことだろう。

丙巻は人物画である。
貴族はいない。庶民や怪しげな僧侶たちが勝手気侭に遊び呆けていて、実に楽しい。
丁巻も同じ内容だが、制作が鎌倉時代に下がり、描線がふやけており、あまりいいとは思わなかった。

鳥獣戯画の成り立ちや経緯を説明した展示は親切である。
鳥獣戯画の模写や、影響された後世の作品も展示してある。
下品ではあるが、陽物較べ絵巻や放屁合戦絵巻はケツサクである。おおらかな笑い声が聞こえてくる。

開始早々の平日だったが、入館客は多い。
列に並ばないと、肩越しでしか絵巻は見えない。
だが、壁面上方に写真版絵巻が展示されていて、大変分かり易く、観易く出来ている。

韋駄天さんに誘われて、招待券を使ったので、1300円の入館券を買わないですんだが、韋駄天さんに合わせて、写真を見て、肩越しに実物を確かめる、という鑑賞法だった。
行列に身を任せて、ゆっくりと観て歩けばもっと勉強になっただろう。

東京ミッドタウンが出来たばかりに来た時は生憎「サントリー美術館」は招待客しか入れず、口惜しい思いをしたが、始めて入ってみれば感じの良い美術館である。
装飾はあまり感じられないものの、「国立新美術館」よりずっと潤いがある。
亡くなった黒川紀章氏の「新美術館」はケレン味たっぷりで体育館。ここを設計した隈研吾氏は穏やかで寛げる美術館にしてくれた。

森男たちは招待券を使ったので、絵葉書やらクリアファイルやら、安物をどっさり買い上げ、新聞社へのお礼と致しました。
ところが韋駄天さんの分までリュックザックに詰め込んで、いやはや.......。

ダ・サイタマの山猿二人  

美術館を出て、「十五夜米八」で650円の弁当を買い、芝生で昼飯にした。
利用は2回目。ここの弁当は安くて美味い。
「東京ミッドタウン」に勤めている人たちも、結構そうしているようですよ。

OLのバトミントンを横取りして、ラケットを危なっかしく振り回す幼児をしばらく鑑賞した。幼児はいつ見ても心がほっこりする。
鳥獣戯画は山藤章二先生の、遊ぶ幼児は和田誠先生の世界であるな。

この後、年初からの懸案事項を解明すべく、韋駄天さんを説得し秋葉原探訪へ行った。
絵巻の庶民もいいが、現代の娘さんも、なかなか、のものだろう、と。



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