林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

艦長さんの出帆

2009-07-08 | 拍手

郵便受けに本が入っていた。
「滝渕龍」という知らない立派な名前の人が書いた本なので、?、と思った。
中を見て、ははん、と了解した。あの艦長さんがとうとう本を出版したのだ。
艦長さんは傘寿を過ぎて、古代史の海へ公に船出したのだ。

翌日、艦長さんが山坂越えてやって来た。
その翌日もまたやってきた。その後電話を何回も頂戴した。
このところすっかりヤル気が起きないけれど、ご本を気合を入れて読んでみた。

艦長さんが出版した「日本神話の里から核廃絶まで」は、46判160頁、全9章から成る。
イザナギ・イザナミから始まり、古事記・日本書紀を艦長さんなりに咀嚼し、故郷「神話の里」を詳しく紹介し、少年時代を回想しながら教育勅語を論じ、核廃絶実現を訴える、という物凄い内容である。

艦長さんの思い出を除き、内容を四捨五入すると以下のとおりです。

始めのタカマガハラは朝鮮半島南部にあった。
天孫女神アマテラスはその後山奥にあるタカチホではなく、福岡県前原市に降臨。
やがて鹿児島県日置市内艦長さん故郷の村に、アマテラスの孫のニニギが落ち着き20年間。ここで天孫族は勢力を伸ばした。
その地でニニギ2代目3兄弟は水死や兄弟喧嘩をして、3男ヤマサチが勝ち残った。
天孫ニニギ家4代目一家は「奈良はヨイトコ」と聞き、東征の旅に出た。
北九州、瀬戸内海を経、大阪から奈良を攻撃。太陽が眩しく一度は敗退。長男戦死。
方角を変え吉野山からヤタ烏や金鶏に案内されて遂に奈良諸族を征服。
奈良県橿原市で三男坊がジンムとして初代天皇に就任した。
後の聖徳太子もこの事実を知っていて........

等々と縷々書いている(と読んだけど違うかも)。

艦長さんは記紀を比較しながらイザナギ家4代目ニニギの行跡を追い、九州全土、吉野山や伊勢志摩を実地に踏査検証し、現在停泊地飯能市、都下五日市や日野市にまで足を伸ばした(と読んだが合ってるかな)。
本当にご苦労さま、だったこの10年余である。

不肖森生は記紀はややこしくて苦手。神様たちの名前を少し知っているだけで実は何も知らない。だから艦長さんの考察の正否は判断出来ない。
時空を超えた大胆かつ緻密な考察は、土地勘が無い森生にはイマイチ飲み込めない。
元祖裸踊りのウズメやウミヤマサチヒコ、オオクニヌシなぞ主役級のカミ様がぞろぞろと登場し、灰色の脳味噌はぐちゃぐちゃ。

また、少し我田引水か牽強付会なんじゃないかと思えなくもない解釈を展開してもいる。
地元の幼馴染には痛快であろうが、東夷にとっては不可解、森生は愉快だった。
ただただ情熱的な行動に脱帽し、ここに書かれたことはマコトだ、と信じることにした。

もし、鹿児島や九州の方が「林住記」を読まれたら、是非この本を買って頂きたい。
その他無為な毎日を過ごすご同輩は、その気になればこのような広大無辺偉大不敵な著書を出す凄さを、この本で認識されたい。
不肖森生も元気が出て、何時もの森生じゃない文体の記事になるのです。

いま心配は艦長さんの「これから」である。
ご母堂は昨年104歳で天寿を全うされた。艦長さんも間違いなくご長命であろう。
しかし偉業を遂げて、燃え尽き症候群になる恐れが無きにしもあらず、である。

熱き想い溢れて、この本に載せきれなかった情報が沢山あるらしい。
豊富に取り揃えた図版は、非情な編集者により大幅に割愛された。
それ等を改めて追加補足しなければなるまい。

昨年座礁したままのブログは急ぎ修繕して欲しい。
次はネットの海への出帆をお勧めしたい。

滝淵龍著「日本神話の里から核廃絶へ」、文藝社刊、税込定価1260円。
ご注文はクロネコヤマトブックサービス(電話0120・29・9625)へ。

艦長さんに関する参考記事は、新しい記事から、
出版会議、往診ブログ、月がとっても青いから花見の宴潜水艦です。

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