CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

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スペクターもびっくり!これがトリオのウォールサウンド、ライブ クリーム

2015年07月07日 | Jeff Beck, Eric Clapton and etc.

スティーブ・ジョーダン:バンド名が一応トリオ名義になっているけど、ジョン、君がバンドのリーダーだ。おもいっきり、ギターを弾きそして歌いまくってくれ、俺たちがフォローするよ。

ピノ・パラディーノ:そうさ。バックは俺たちに任しな!

と、20代の若きギタリスト、ジョン・メイヤーを盛り立てて、彼の快演を引き出そうとするベテランの二人だった。

と言うような会話があったかは定かでは無い。

一方こちらのトリオは、昨日登場した上述のトリオとは全く趣が違った。

じゃカウントするぜ、ONE TWO THREE FOUR!

ジャカ・ジャカ・ジャカ・ジャカ、ブブブブ・ブゥーン、ドンドコドンドコ・ドスドスと三方から音が一斉に飛び出す。しかもエリック・クラプトンの早弾きのギター・ソロの負けじと、ジャック・ブルースのベースがこれまたハイ・スピードで唸り、それにジンジャー・ベイカーの手数の多いドラムが被さる。3人組の演奏にもかかわらず、アップテンポの曲では音と音の隙間がほとんど無いフィル・スペクターばりのウォール・サウンドをやってのける。

あたかも、3人それそれが正三角形の頂点に立ち三角形の内側に向けて音を出しまくり、三角形の中心あたりでぶつかり爆発したような音、その洪水のような音を観客は聴くことになるのである。当時の観客もその迫力にはぶっ飛んだことであろう。

当時トリオといえば、ジャズの演奏でよく見受けられ、ドラムとベースにリードの楽器、ピアノ、ギターや管楽器が加わるのである。曲中にドラムやベースのソロの演奏が挟まることもあるが、普通はリードの楽器を引き立てる為に控えめに演奏されることが多い。

と言うことで、クリームのライブは3人の個性がぶつかり合いバトルが繰り広げられる、当時のトリオの演奏の概念を打ち破った革新的だった演奏と言えるのでは。

LIVE CREAMはクリーム解散後の1970年に発売され、全英4位、全米15位とヒットした。1968年のライブ・レコーディング4曲と、1967年のスタジオ録音のブルース・ナンバーLAWDY MANA1曲が収録されている。LAWDY MANAもロック仕立てのヘビーなブルース・ナンバーであるが、ライブ音源の後にこれを聴くとなんとも爽やかに聴こえる のが不思議。

自己主張が強い演奏でのバトルを常時繰り広げていると、メンバー内にもその緊張感からか対立を生み出し、2年と少しの活動期間を経て解散と相成った。

ジョン・メイヤー:クロスロードのライブの時、エリックから聞いたんだけど、クリーム時代はうるさいからって、耳栓をしてリードを弾いていたんだって!

博士:おお! それが、たとえ耳栓をしても弾くことができる、彼のゴッド・ハンドなるものなのか?

と言うような会話があったかも定かでは無い。

さらに、タイトルにあるスペクターは、よくワイドショーに出てくる日本語を話すアメリカ人のことでは無い。

Cream - N.S.U. (live)