CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

前回の続き、昨日と今日

2015年07月21日 | BEATLES-BADFINGER関連
博士:1966年6月、ビートルズにとって前代未聞のアルバムがアメリカで発売されたのじゃ。それは、アメリカ編集のYESTERDAY AND TODAYじゃ。裏ジャケにタイトルとして”YESTERDAY”…AND TODAYと記載されていることから、”YESTERDAY”(曲名)と今日と言う意味であろうかのう?

助手:アメリカでシングル・カットされた2曲、YESTERDAYとACT NATURALLY(英盤では、HELPのB面に収録されていたが 、アメリカではサントラとして発売されたため、英盤のB面の曲はアメリカでは幾つかのアルバムに振り分けられた)、RUBBER SOULから4曲、ダブルA面の英盤シングルの2曲、WE CAN WORK IT OUTとDAY TRIPPER、そして英盤リボルバーから3曲で構成された、コンピアルバムですね。

信頼のレーベル、キャピトル・レコード。それって本当?

博士:リボルバーの英・米盤は同年の8月に発売されたため、6月の時点ではコンピ盤が英盤のオリジナルより早く新曲が出されたのじゃ。

当時は、アルバムはその年の中間と年末に発売されるルーティーンだったので、アメリカのビートルズ・ファンにとっては、ビートルズのアルバムがわずか1ヶ月とチョットの間に2枚も出された事から、盆と正月が一度に来たようなものじゃっただろう。

ビートルズ・サイドも、これらのオリジナルを無視した販売方式に不満を持っていたみたいで、チョット悪ノリしたのか、このアルバムのジャケットを飾る写真として、後日ブッチャー・ジャケットと呼ばれる、例の写真を送った。

助手:聞いたことがあります。

なんでも発売後、現場サイドのクレームから急遽異なる写真をジャケットの上に貼り付け急場を凌ぎ、その後ジャケットは、その差し替えた写真を使用し造り直されたんですよね。

博士:そうじゃ。この回収騒ぎで、キャピトル・レコードは多くの損害を被ったが、アルバムはチャート1位の大ヒットとなり、その損失は難なく補填されたであろう。

しかしながら、これらのトラブルにより、この後のビートルズのオリジナル・アルバムは英盤に準拠することとなったんじゃ。とは言え、次作のサージャントのアルバムはバラ売りするのは難しかっただろうし、マジカル・ミステリー・ツアーでまた編集盤のLP出したから、なんとも言えんのう~

助手:ファースト・ステートと呼ばれたブッチャー・ジャケット・バージョンやセカンド・ステートと呼ばれた、写真張り付けバージョンは、今でもオークションなんかで非常に高価で取引されていますね。

博士:そうジャケも重要だが、このアルバムも英盤バージョンと異なる曲を収録しており、マニアの間では貴重な音源となっておる事も見逃せん。

日本でも1970年になって、東芝音工がこのアルバムをプレスしたのじゃが、なんと彼らは米盤であるのに関わらず、音源はどうも既出の英盤ミックスを使用したとのことじゃ。(1970年の時点では、英盤シングルのWE CAN WORK IT OUTとDAY TRIPPERは彼らの1966年末発売のベストアルバム、オールディーズで聴くことが出来た)

だからマニアとしては、このアルバムの日本盤に関しては、日本独自の堅牢なゲート・フォールド・ジャケットと帯の仕様に価値を見い出すほかなかった。

日本独自の堅牢なゲート・フォールド・ジャケットと国旗帯、博士のようなへなちょこマニアならば、この再発盤でオーケーだが、マニアであれば、丸帯付きの初回盤が欲しいところ。

助手:おおー 博士! 今回のアップは、真面目路線で話がサクサクと進みましたね。

博士:そうYESTERDAY AND TODAYは寄せ集めのアルバムじゃから、米盤リボルバーのように曲を落とそうにも、そもそもこのアルバムにはオチの付け所がないのじゃ。

The Beatles- Day Tripper