CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

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こんなところにもリック、1971年頃

2015年07月30日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

そう、リック・ウェイクマンのことです。

マーク・ボラン率いるT.REXのアルバム、“電気の武者”からシングルカットされ全英1位に輝いた“GET IT ON”に、アルバムのクレジットにはリックの名前は見当たらないが、どうもピアノで参加しているとのことです。

あれ? “電気の武者”の英文のライナーには、このアルバムからセッション・プレーヤーを使い始めたと書いてあって、ホーンにはキング・クリムゾンのイアン・マクドナルドを起用、キーボードにはブルー・ウィーバー(エーメン・コーナーというグループ出身で、リックがストローブスからイエスに引き抜かれた後、ストローブスに加入、その後ディスコ時代のビー・ジーズでキーボードを担当する。)となっている。

英文のWIKIには, リックとブルー・ウィーバーの両方が“GET IT ON”でそれぞれ別のパートを弾いていたとなっている。そしてピアノのグリサンド奏法のところはリックじゃないかと書いてある。

本当のところはどうなのかな?

とは言え、プロデューサーのトニー・ビスコンティがこの曲に得意のストリングスを被せたのでピアノの演奏がほとんど目立たなくなっていて、誰がピアノを演奏しても同じような気が~

そのため、アルバムのクレジットからリックを外したのかな?

まあ、マーク・ボランとしては、アルバムがヒットさえすればいいので、誰がどの曲に客演したなんてあまり関心がなかったのかもしれない。

“電気の武者”は“GET IT ON”JEEP STAR MANBOSUNなどボラン得意のブギー・サウンドと、アコースティック・ギターやストリングスを使ったバラードやブルースなどの楽曲などがうまく混ざり会うことによってアクセントがつけられ、アルバム全体が単調にならないよう工夫してある。

プロデューサーがトニー・ビスコンティということで、アコースティック・ギターやストリングスを使ったバラード、特に“COSMIC DANCER”なんかは、彼が1969年にプロデュースしたデビッド・ボウイーのスペース・オデッティー風で、一連のヒットのツボを押さえて制作されたものと思う。おかげでは全英1位となり、日本で19位、アメリカでも32位とチャートに食い込んでヒット・アルバムとなった。

セッション・ミュージシャンとは、誰でも簡単になれるものではなく、プロデューサーのどんな要求にも対応できる高度な演奏能力は最低条件で、そのミュージシャンの参加によってアルバムの格を上げるため、すでにある程度名の通ったバンドもしくはソロとしで活躍していることも必要である。

そういう意味では、当時卓越した演奏技術によりイエスに引き抜かれたリックは、その条件に完全に合致していた。しかしながら、彼のイメージとしてはクラッシックやプログレのサウンドがあったので、もしWIKIの記載通り、ボラン独特の怪しげなボーカルに裏声のバック・コーラス絡むグラム・ロック・ブギーのセッションにも参加していたとしたら、やっぱり驚きますね。

Get It On by T.Rex