私は、CSN&Yの中では、ニール・ヤングが一番のお気に入りです。
現在70歳近くになっているはずですが、その歳になっても精力的にコンサートを行ったりあるいは新譜を出し続けられるミュージシャンと言えば、ボブ・ディラン、ポール・マッカートニーやストーンズなど本当に限られた人達だけです。
ニールの存在は以前から知っていたのですが、70年代初め頃は、英国ハード・ロックの方に興味が行っており、そちらのレコードを買い求めていくと、当然アメリカのロックまで手が回らなかったのでした。
しかし、70年代中盤のウエストコースト・サウンド・ブームで、イーグルスやアメリカなどハーモニーを重視した心地よいサウンド作りをするグループが出てきて、それじゃと最初に買ったのが1975年発売のZUMA(全米25位)というアルバムでした。
ジャケはメキシコのアズテック文明のイメージを描いたイラストですが、曲の内容は、B面の3曲目にあるコルテス・ザ・キラーを除いては、どうもそのイラストとは関係があまりないみたいです。シンプルで馴染みやすいフォーク・カントリー系の曲と自身の独特な ギター・ソロを入れたロック系の曲などから構成されていて、まあ、割と親しみ安いアルバムと言えるでしょう。
ニールのファンにとって一番困ることは、彼がアルバムごとに作風を全く変えて制作することが多いことでしょう。初期のフォーク・ロックから、急にハード・ロックをやったり、そうかと思えば、R&B、もろカントリーやボコーダを使ったエレクトロ・サウンド、そして歪んだギターサウンドのグランジ・ロックへと、またフォーク・ロックに戻ったりと、全く気の向くままに音楽活動を行ってきました。
ニールは全くコマーシャリズムを無視して新作を発表するレコード会社泣かせの存在と言えるでしょう。前作が気に入って、そのイメージで次作を購入すると全く異なった作風の場合があり、ファンとして彼の活動を継続して追いかけるのは骨が折れます。
そんなニールがポール・マッカートニーと凄く親しい関係だと最近知ってびっくりしました。ジョージの場合は、ボブ・ディランの繋がりで、ニールと何らかの交友関係がもしあったとしても不思議ではないのですが。
両者の音楽性が全く異なり、二人の接点なんて一体どこにあるのか調べてみると、2004年に地雷除去運動やBRIDGE SCHOLL BENEFIT CONCERTのチャリティー関連で一緒に歌っているようですが、実際はかなり昔に遡ることになります。
1967年まだポールと結婚する前の写真家リンダ・イーストマンが彼の写真を取っており、2008年にアーカイブ・ライブ・シリーズとして発売された、SUGAR MOUNTAIN(1968年のライブ音源)のジャケットに彼女が撮影したポートレイトが使われています。多分、ポールはリンダ経由で知り合ったということでしょうか?
非常に親しい関係を見ることができるビデオ・クリップがあります。それは2009年のハイドパークで行われたENGLAND FOR HARD ROCK CALLING というライブ・ショウのもので、ニールはビートルズのA DAY IN THE LIFEを歌っていて、この時ポールが途中でステージに乱入し、両者がステージ上でかなりハチャメチャな行動を取っています。酔っ払っているのでしょうか? もしそうだとしても、数万人の観客の前でこの手のパフォーマンスがあったのは、驚いたのと、また彼らが凄く仲のいい関係だと思いました。
暇な時に、結婚していればその相方、もしくは親しい友人たちとどのような経緯で知り合ったかなんて、過去を遡ってみるのも楽しいのでは? 新事実が出て来るかも知れませんよ。
ただし年を重ねると、昔の記憶がメモでも取ってない限り確かでない事が多く、どうでもいい事の方が数多く記憶に残っていたりします。
アルバムZUMAのオープニング・ナンバー
Neil Young - Don't Cry No Tears
ハチャメチャなA DAY IN THE LIFE
Neil Young & Paul McCartney A Day In The Life(In HD)