初めてこのアルバムを聴いた時は正直ぶっ飛んだ。
ザ・フーの中でも一番大好きなアルバムが、1973年のロック・オペラの大作、Quadrophenia(四重人格)。
(ベスパを改造したGSスクーターに憧れたもんだ)
(これぞザ・フー!)
アルバムに付随していた分厚いブックレットにその物語のあらましが英文で長々と綴られていたが、そんなの辞書片手に翻訳なんて面倒なので、ブックレットに掲載されていた写真をチラ見しながら、スピーカーから流れる音だけを楽しんでいた。
(分厚かった大判ブックレット)
出だしのザザッ〜と聞こえてくる波打際の効果音(I Am The Sea)にトロ〜んとしていると、急にジョンのベースがドロ・ドロ・ドロ、さらにキースのドラムがドコ・ドコ・ドコと派手に鳴り響き、ロジャーの熱唱が大音響でスピーカーから出てきて2曲目のThe Real Meが始まる。
掴みオーケーで、本当に圧倒された記憶が….
さらに、The Punk And The Godfarther(不思議なことにジャケ裏とブックレットには何故だかThe Punk Meets The Godfartherと記載されている?)でピートのジャラ・ジャラ・ジャ〜ン〜と唸るエレキに痺れ、これぞロック少年のバイブルと言えるアルバムじゃないかと思ったものだった。
(ジャケ裏の記載、Meetsになっている)
(ブックレット内の歌詞のタイトル表記、Meetsになっている)
それから40年経ってQuadrophenia(四重人格)のライブ盤が出るってことで2014年に発売されたそのCD買ったのだが、当初リーズ公演のライブの様に70年代のライブ音源が新しく発掘されたのかと思いきや、バック・バンドを従えての新録ライブと言うことで、キースやジョンを含めたオリジナル・メンバーでのライブを期待していた者としては、ちょいと興味が薄れ長い間ほったらかしにしていた。
70年代の当時はテープでバッキングの音源を作ってそれに各々の楽器またはボーカルをかぶせる様な算段だったらしいが、技術的にライブの一発勝負でシンクロさせるには無理があり、数曲が単品としてライブで演奏された様だった。
90年代に10人程度のバック・バンドを従えその再現に成功、そして2010年代にも同様の公演が模様され2014年の公演が新録ライブでついにオフィシャルでCD化されたことになる。
本日買って5年ぶりCDを取り出し改めてそのライブ公演聞いてみると結構忠実に再現されていて迫力もあり、なかなかの出来といえる。
ただね、ロジャーのボーカルもかなりの健闘は見せているもののやっぱり70年代の頃と比べるとね〜
さらにキースやジョンもいないとなると….
なんで全盛期の70年代にバック・バンドをつけて完全ライブ公演しなかったのかね〜