来年の今頃は東京オリンピックが開催されている。
オリンピックがやってくるといつもこのジャケを自動的に思い起こす。
ビーチ・ボーイズの1976年のスタジオ・アルバム、15 Big Onesの事。
オリジナルのメンバー5人が笑顔で五つの輪の中にそれぞれが収まっている。
当時、リーダーのブライアンは、色々な理由が重なって精神的に疲弊をきたし、レコーディングにはちょっぴり参加するもののツアーとなるといつも欠席。
その彼が、リハビリを経てなんとか立ち直りブライアン・カムバック〜とバンド設立15周年言う宣伝文句で売り出されたもの。
内容は、約半分の曲がカバーとそれまでオリジナルを中心にアルバムを制作してきた彼らにとっては珍しいアルバム。
カバーの選曲は60年代のチャック・ベリー、キャロル・キングにフィル・スペクターらのオールディーズの作品を取り上げていて、オリジナルの作品共々ブライアンらがそれまで築いてきたかってのビーチ・ボーイズのイメージにはピッタリ・フィットしていたので、本当に聴き易いなつかしのビーチ・ボーイズ・カムバックとなった。
1966年のPet Sounds以来、10年のインターバルを置いて久々に全米8位とチャートを賑わせヒットした。
その後彼らがヒットチャートを賑わすには2012年のThat’s Why God Made The Radioまで待たなければならない。
嗜好の移り変わりの激しいこの業界、オリンピックのように例え4年に一度でもヒットを出すことは至難の技。
バンドとしての形態は昔とは異なってしまったにも関わらず、ビーチ・ボーイズがいまだに存在するのは単純にすごいことだと思ったりする。